温かさと、｢一歩｣の勇気

　○…多摩市での若者会議の活動がきっかけで、「新しく八王子で若者会議をつくりたい」と決心。７月に始動した。８月末には長野県飯山市を訪れ、現地や他市の若者会議メンバーと１泊２日で交流。「地域のためにこんなに頑張ってる同世代がたくさんいる。もっとやらなきゃ」。地元での実践に向け、活力と刺激を受けて帰ってきた。

　○…「周りへの感謝を大事にね」。そんな両親の教えのもと、昭島市で生まれ育った。「人の役に立つ人になりたい」と公務員を志望し、八王子市役所に入庁。福祉に携わり４年目になる。「すごいと思うものは実際に見て確かめたい」。市内中小企業の高い技術力に惹かれると、６月にはパソコン部品の製作所をプライベートで見学した。「経験も力も足りない。失敗してもいいからやってみる」。もどかしさを打ち破り、突き進む。

　○…おとなしい性格だった自分を変えようと、大学１年生のときホームステイでカナダへ。入国時に体調を崩し、冬の猛吹雪で滞在先への道に迷うアクシデントに見舞われた。日本語対応の緊急電話サービスが全く役に立たず、選んだ道は「動く」。通行人や駅員に片っ端から話しかけて道を聞き、何とか目的地にたどり着いた。現地で友情の輪が広がり「一歩踏み出す勇気、行動することの大切さを強く感じた」という。

　○…若者会議は「あくまで個人活動。メンバーがのびのび挑戦できるよう、やりたいことを次々に実践したい」ときっぱり。メンバーの学生や社会人ら十数人を思い、環境づくりに没頭する。「若者会議も仕事も、仲間や先輩に恵まれて本当にありがたい」。感謝を胸に、隣人を思いやる心を忘れない。誰もがいきいきと暮らせる八王子を目指し、奔走する。