八王子市内でメダカ販売店などを営む（株）めだかやドットコム（青木崇浩代表取締役）は、「めだか盆栽」を成層圏まで打ち上げるプロジェクトを10月に行う。今月16日、八王子ＯＰＡの本店で記者会見を開いた。

　同社は就労福祉事業としてメダカ販売などを行い、障害がある人の社会復帰と経営を両立させたビジネスモデルを確立。「めだか盆栽を宇宙に打ち上げる。まだ誰もやったことのない分野を開拓することで、福祉が明るいものだと知ってほしい」と代表の青木さんは力を込める。八王子市で生まれ育ち、現在は市内に２店舗を展開。青木さん自身、26歳のときに病気で苦しみ、重度のうつ病を発症したことも。その経験が現在の福祉事業につながっている。

　打ち上げる「めだか盆栽」は青木さんが作り上げたアクアリウムの一種。メダカのフンや植物の光合成で水槽内の環境を保ち、できるだけ自然環境に近い状態を再現している。製造過程では事業所の利用者が一つひとつ手作りしている。めだか盆栽には青木さんのメダカへの愛や、メダカがつないでくれた人の縁などさまざまな思いが詰まっている。

来月15日 決行へ

　打ち上げ予定日は10月15日。気象条件によって打ち上げ場所の候補地は変わるが、新潟県や長野県が挙がっている。気球は直径１・８メートルほど。地上30キロの成層圏まで上昇後、パラシュートで地上へ。福島県南相馬市の海上沖での回収を想定している。成層圏では、めだか盆栽に取りつけたスピーカーから「めだかの唄」を流す音質変化実験も行う。

　16日の記者会見では、アイドルグループ「ＡＫＢ48」元メンバーで八王子市出身の前田亜美さんが司会を務めた。

支援金を募集

　同社はクラウドファンディングサイト「Ｍａｋｕａｋｅ」で、11月30日まで資金支援を受付中。プロジェクト名は「めだか盆栽を宇宙に打ち上げ、福祉事業所が作り上げる日本のメダカの世界観を伝えたい」で、目標金額は３００万円。開始初日には１００万円以上の資金が集まった。返礼品はめだか盆栽など。