現在の橋本駅南口。左側に駅、道路を挟んで右側が整備中の土地
東京-大阪間を超高速で結ぶ新たな交通として注目を集めるリニア中央新幹線。2013年のJR東海の発表で、神奈川県駅が相模原市の橋本駅付近に設置されることになり、周辺では準備が進んでいる。
東京-大阪間67分
リニア中央新幹線は、東京から大阪までの438キロを結ぶ新幹線。時速500キロで走行する超電導磁気浮上式鉄道(超電導リニア)を導入し、東京-名古屋間を最速40分、東京-大阪間を最速67分で結ぶと言われている。首都圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏間の往来にかかる時間が飛躍的に短縮されることから、広域的な交流、経済、ライフスタイルなど、さまざまな観点で大きな期待を集めている。
神奈川県駅が設置される相模原市では、橋本駅周辺の整備について準備が進められている。今年7月、大規模事業評価委員会からの答申を踏まえ、橋本駅周辺について整備を進めることを決定。8月にはJR橋本駅南口前の旧相原高校を含む約14ヘクタールの土地の道路、交通広場の計画などについて市民へ向けた都市計画説明会が行われた。土地利用についても「まちづくりガイドライン」の策定を進め、市としてのまちづくりの方向性をこれから決める。
さらに、市では駅の利便性や回遊性の向上を図るために、京王線の駅舎を現在の場所からJRとリニア新駅との間に移すことを前提に検討を進めていく。
開業はいつ?
JR東海では当初、品川-名古屋間について2027年の開業を目指していたが、「南アルプストンネル静岡工区において、大井川の水資源の影響について、静岡県、流域市町等の理解が得られず、実質的に工事が進捗しない状態が続いており、2027年の開業は難しい状況」としている。現在のところ明確な開業年は発表されておらず、「早期開業に向け取り組んでいく」というにとどめている。また、東京-山梨間の部分開業については否定している。
相模原市リニア駅周辺まちづくり課では、「早い開業を望むが、まちづくりの計画は進めていきたい」としている。