対話重ね、盛り上げ役に

　○…上部リーグのＢ２昇格を掲げるビートレインズで３年目。新体制のキャプテンに抜擢された。「長いシーズンで勝っても負けても応援してもらえるチームを目指す。結果は後からついてくる」と前を向く。持ち前の積極性で「コートに出てなくてもベンチからみんなに声をかけて、チームの流れをつくる。それが自分の役割」。不安と楽しみを胸に、ムードメーカーを全うする。

　○…川崎市高津区で生まれ育つ。小１のとき４歳上の兄とチームメートに魅せられ、ミニバスを始めた。水泳のほか野球やサッカーもこなし、「それなりにできたけどバスケが一番難しかった」。プロを夢見てのめり込み、中高バスケ部では主将に。消防士にも憧れていたが就職活動はせず、大学３年でＢリーグのトライアウトを受け、声がかかったＢ３東京サンレーヴスに入った。

　○…東京で２季過ごした後、ＧＭの誘いでＢ３金沢武士団へ。コートでは年齢に関係なく意見を言い合い、己に厳しいチーム環境に身を置き「プロとして意識が変わった」。毎試合ほぼフル出場だったが勝てず、つらい日々。それでも「今となってはいい経験。おかげでキャリアを続けることができた」と、そっと回顧する。

　○…縁あってビートレインズに移籍した２年前から八王子市民に。休日は妻、１歳の長男と買い物や食事に出かけ、公園で遊んだりと市内で過ごす。「故郷に似て住みやすい」。そんな八王子をどう盛り上げ、多くの市民に元気を届けるか、チームづくりのイメージを膨らませる。「楽しくプレーすることが原点。どんな環境でもバスケができていることに感謝」。その信念は、ずっと応援に通い続ける母親の言葉と重なる。思いを胸に、一歩を踏み出す。