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公開日:2022.12.08

八王子市
産後ケア 選択肢拡充
「通所型ショート」を追加

  • 通所型ショート先の一つでもある「助産院ともこさんち」で行われている沐浴指導=同院提供

 八王子市は12月から、母親向けに展開している産後ケア事業を拡充した。以前から母子共に医療機関に泊まる「宿泊型」などがあったが、今回新たに日中助産院を訪れ短時間ケアを受ける「通所型ショート」が加わった。管轄する大横保健福祉センターの担当者は「選択肢が広がることで、より多くの母親の『利用しやすさ』につなげていきたい」と活用を呼びかけている。

 産後ケア事業とは、出産後の母親の身体機能回復や心理的な不安解消を目的とした助産師によるサポート事業。主に授乳指導や育児相談などで、産後の体調不良や育児不安は母子共に悪影響を及ぼすとして、全国の自治体で同様の事業が広がっている。

 八王子市では、2018年8月から同事業を開始。助産師が家を訪問する「訪問型」から始まり、20年から医療機関に母子で泊まる「宿泊型」や日中(6時間以内)滞在する「通所型」が加わった。

 費用は一例として宿泊型の相当額が1泊3万円、通所型が1回1万5千円のところ8割が公費負担となるため、自己負担はそれぞれ1泊6千円、1回3千円に。利用総件数は初年262件、21年は941件と右肩上がりだったが、病院などの医療機関の利用条件が同所での出産者限定だったり、コロナ対策で受け入れを休止している点が課題となっている。

利用の間口広げる

 そこで今回新たに追加されたのが、母子がケアを受けに数時間(2時間以内)助産院を利用する「通所型ショート」だ。今までも助産師による「訪問型」(2時間以内)があったが、管轄する大横保健福祉センター担当者によると、「人によっては自宅に招くより助産院を訪れた方が精神的負担が軽い場合もあり、そこに沿った形。選択肢を増やすことで、利用のしやすさにつなげたかった」と拡充理由を説明している。

 指定の助産院は、八王子市や多摩市などで活動する「八南助産師会」に加盟する7院。そのうちの一つ「助産院ともこさんち」(元本郷町)の青木智子院長は、「『訪問型』の利用で各家庭を訪れた際、ワンオペで疲弊しているお母さんが散見された。家に閉じこもってしまわないよう、外に出るきっかけの一つとしていろんなお母さんたちに来てもらえたら」と利用を後押しする。

 青木さんによると、産後は時期によってケア内容のニーズは異なり、退院直後は授乳指導、生後5カ月あたりからは離乳食のサポートなどが増えるという。

 利用には事前申請が必要で、市内在住であることなど一定の条件、利用回数上限がある。詳細は管轄の保健福祉センターへ。電子申請も可能。

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