東京都は先月から、町会・自治会主体による地域の課題解決を目指した取り組みに対し、助成金を交付する事業を行っている。防災訓練や世代間交流イベントなどがその対象。申請団体の種類や事業内容によるが、申請が通れば対象経費の半額から全額が助成される。助成額は町自連(町会・自治会の連合組織)であれば200万円、単一町会は20万円が限度額となる。
核家族化や都市化が進み、地域のコミュニティ機能の低下が課題になっている昨今。都では、町会・自治会・企業・NPOなど、行政だけでない多様な団体が連携し、公共的な課題を解決していくことを「地域力」と呼んでいる。
この「地域力」の向上を図る助成事業として行っているのが、今回の「地域の底力発展事業助成」だ。同事業は2007年度から実施しており、対象事業の内容は、「地域の課題解決のための取組」や「都が取り組む特定施策の推進につながる取組」など。具体的には、世代間交流イベントや防災訓練、子ども食堂、外国人向け防災マニュアルの作成、オンラインツールを活用した町会イベントの配信などが挙げられる。
担当所管である都の都民生活部は「よく問い合わせをもらうが、マンションの管理組合やまちづくり協議会などは今回の助成対象ではない」と同事業の対象が町会や自治会であることを強調する。今年度の募集は4回(3月・4月・6月・9月開始)。 実際に今月上旬に発表された、今年度第1回目の審査結果を見ると、採択されたのは都内計40団体で、内訳は町自連14、単一町会・自治会26。助成総額は2262万1000円。一例では、子どもたちの作ったダンボールハウスに宿泊しながら行う防災訓練(中野区・鍋横地区町会連合会)やこいのぼりフェスティバル(台東区・柳橋町会)などが採択された。
催し再開で活性化促進
一方八王子市内では過去に、この事業で横山南地区町自連や元八王子町二丁目町会(共に22年度)などが採択されている。それぞれ「第1回八王子よこやま南マーチングフェスティバル」や「盆踊りを通じた子供の育成と地域住民との交流を促進」というイベント事業を開催。公費助成を追い風に地域活性に取り組んでいる。
市内町会の元町会長は「過去に(同助成金を)活用したことがある。今年はコロナも落ち着きイベントも戻ってくると予想されるので、こういった後ろ盾は助かるのでは」と話す。別の町会長は「会の活動と対象事業がマッチすれば申請したいが、人手不足で正直、申請書類などを用意する時間がない」と本音を吐露する。
今年度第2回の募集締切は5月15日(月)だが、第3回目は6月1日(木)から8月10日(木)まで。申請する場合は、必ず受付期間中に都へ申請書類案を提出し、事前相談を行うこと。1団体あたり年度内に1回のみ申請可能。詳細は都のサイトから。
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