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公開日:2023.07.27

大和田町在住遠藤進さん
こま500個を寄贈
12月 世界大会で「役立てて」

  • こまを寄贈した遠藤さん(左)と(株)そろはむの長谷川代表(右端)、息子でこま競技も行う仁董さん(中央は寄贈したこまの一部)

  • 「加賀出世駒」と呼ばれる石川県のご当地こま

 自身がコレクションする「こま」を活用してもらおうと、大和田町在住の遠藤進さん(81)は7月13日、八王子市内でこまやヨーヨーを専門に扱う(株)そろはむに寄贈した。その数は500個以上。仕事で全国を出張する中、約20年かけて集めたものだ。同社の長谷川貴彦代表は「12月に市内でこまの世界大会を主催するので、そこで展示したい」と話している。

 遠藤さんはカメラメーカーのオリンパス(株)の技術部門に勤めていた当時、出張で全国各地へ赴く中で、ご当地のこまを買い集めてきた。幼い頃こまでよく遊んでいたといい、「正月に都心のデパートでこまの展示販売を見て懐かしくなった」のがコレクションのきっかけだった。30代から約20年かけて、江戸時代に生まれた曲芸用の「曲独楽」や石川県加賀の「出世駒」、「独楽の里」と謳われた岡山県湯原温泉郷のこまなど、集めた数は500以上にのぼる。

本紙きっかけ「彼に譲りたい」

 何気なく読んだタウンニュースで、今年4月に神戸市で行われた「全日本こま技選手権大会」の大人も参加する「フリーの部」などで優勝した中学生・長谷川仁董さんが市内在住であると知った遠藤さん。高度なこま技を習得するため練習を重ねる姿に感銘を受け、「こまを彼に譲れないか」と連絡を試みた。地元の印刷会社「清水工房」(追分町)などを介し、仁董さんの父親・貴彦さんに寄贈を申し出たところ、快諾を得たという。今月13日にコレクションの一部を譲ることになった。

 貴彦さんは、並木町でこまやヨーヨーなど「スキルトイ」と呼ばれる玩具の販売や製作を行う「(株)そろはむ」という会社を運営。自身もヨーヨーの世界チャンピオンであり、こまにも造詣が深い。息子の仁董さんと日々切磋琢磨している。

 今年12月には、明神町の東京たま未来メッセで単独としては日本初となるこまの世界大会を同社主催で行うため、「外国から来る人たちに見てもらうのに、展示ブースを設けて飾りたい」と話している。

 貴彦さんは過去、こまの歴史を調べる際、遠藤さんが全国のこまについてまとめた自作のウェブサイトを閲覧したことがあったとも。寄贈の話を受けたとき「もしかしてあの遠藤さんか」と驚きを隠せなかったという。

 13日に遠藤さんの自宅を訪れた仁董さん、貴彦さん、母親の心愛さんは改めてお礼を伝えた。仁董さんは、今では手に入りにくい貴重なご当地こまを興味深く手に取り、その場でさっそく回して感触を確かめていた。遠藤さんは「次の世代に譲りたいと思っていた。世界大会で役立ててもらえれば」と笑顔で締めくくった。

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