八王子学園八王子高等学校の吹奏楽部が9月の都吹奏楽コンクールで金賞を獲得し、10月20日(日)に栃木県で開催される「第72回全日本吹奏楽コンクール」に都代表として出場する。同校の全国出場は6年ぶりの快挙。
並みいる強豪校がしのぎを削る都大会。八王子高校はここ数年の間、金賞を獲得しても代表校の2校に選ばれない状況が続いていた。1年生からコンクールメンバーに選ばれ、昨年の秋から部長を務める飛川希さん(3年/コントラバス)も、そのくやしさをかみしめてきた一人だ。3年生を中心に話し合い、「次こそ全国へ行く」という強い思いで選んだのが課題曲『メルヘン』と、自由曲『モンタージュ』だった。後者は個々に高い技術、表現力が求められる超難曲として知られているが「強豪校はみんなそういう曲を選んでいる。全国を目指すなら、自分たちもそのラインに立たなくては」と飛川部長。
日々練習を重ね、メンバーで曲の解釈を共有するために曲に物語や歌詞をつけるなどの取り組みも行った。そうした努力が実を結び、都大会で念願の代表校に選ばれた。飛川部長は「ここまで支えてもらったコンクールメンバー以外の部員や先生、保護者への感謝を込め、自分たちにしかできない演奏を披露して全国でも金賞を目指したい」と目標を語った。副部長の土方稜香さん(3年/ファゴット)も1年生の頃からコンクールメンバー。「これまでのくやしい思いを全国という大舞台にぶつけて、観客に最高の演奏を届けたい」と意気込む。
心をひとつに
今年度の部のテーマ『快進』(勢いよくみんなで全力で進み、明るい未来をつかみ取ろう)を胸に、強豪ひしめく全国に挑む同部。顧問の高梨晃教諭は今年のコンクールメンバーを「3年生を中心に個々の技術と思いが強い生徒が揃っている」と評し、「あとはチームワークが加われば、もっと強くなれる。苦しくても本番ギリギリまで練習を積み重ねて、全国でも輝いて良い結果をつかみ取ってほしい」とエールを送る。