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八王子 人物風土記

公開日:2025.07.17

第19回日本母性看護学会学術論文賞を受賞した
斉藤 友実さん
創価大学在勤

救える女性 すべて救いたい

 ○…2年前に執筆した論文が学会誌に採択され、優秀作品に贈られる学術論文賞を受賞した。吉報を知らせるメールを開いた時は「自分が表彰式に出るのか」と驚きがこみ上げたという。社会人入学した大学院で、教授らと共著で書いた修士論文だ。ベテラン助産師が子を産んだばかりの母親のSOSにどのように気付き、ケアを施すか、調査から支援方法までをまとめた。

 ○…静岡県出身。助産師になったのは、児童福祉施設を題材としたドキュメンタリーがきっかけだ。そこで暮らす男の子が自分の出生に疑問を持つのを見て、「今まで『生まれる』って幸せの象徴だと思っていたけれど、そうでない場合もあるのかもしれない」と思った。命とは何なのか、それを確かめるべく命を扱う現場に身を置くことに。27年間、助産師・看護師として従事してきたが、見えてきたのは周産期の女性が思い悩み、自ら命を断つことが少なくないという悲しい現実だった。

 ○…どういう女性にその傾向があるのか、「ちゃんと調べたいけれど時間がなかった」。ついに思いは溢れ、臨床現場から大学院へ。研究者としてのアプローチを始めた。母親を支えるにはそれぞれ異なる生活背景を把握し、的確な支援策を見つけなければならない。研究はまだまだ道半ば、「まだ1割くらい」と気を引き締める。

 ○…昨年度から、創価大学看護学部の助教としても教鞭を取る。休みの日に行う庭のバラの手入れは、亡き母が残してくれたもの。手入れを通して、子育てをそばでずっと支えてくれた母のことを思い出す。「今のお母さんたちは(自分と比べて)大変だと思う。先回りしてケアできるよう、一人も取りこぼさない支援を目指したい」

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