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公開日:2025.11.27

大塚在住村山颯(そう)さん
大会史上初 高校生でV
全日本新体操 男子個人の部

  • 取材に答える村山さん

  • 過去の大会で演技を披露する村山さん=同校提供

 群馬県の高崎アリーナで11月7日から9日まで行われた「第78回全日本新体操選手権大会」男子個人競技の部で、大塚在住の村山颯さん(17歳/国士舘高等学校=人物風土記で紹介)が総合優勝した。新体操歴13年の村山さんは、「直前まで調子を落としていたので、まさか1位が獲れるとは思っていなかった。男子高校生で初、というのも後で聞いてうれしかった」と大会を振り返った。

 スティックなどの手具をあやつりながら、音楽に合わせダイナミックな体操の動きを組み合わせる新体操。手具を落とさないことや体のしなやかさ、芸術的な表現力が見どころの一つだ。

 同大会は、男子・女子それぞれ個人と団体で頂点を競う。団体は全国高校総合体育大会(インターハイ)や全日本学生選手権大会などの予選大会で上位になったチームが同大会の出場権を獲得。個人は、全国高校選抜大会や全日本ユースチャンピオンシップなどの大会上位入賞者であることが出場条件だ。村山さんは、今年3月に香川県で行われた全国高校選抜大会で3位になり、全日本への切符を掴んだ。

調子崩すも「結果求めず」

 男子・個人競技は、スティック・リング・ロープ・クラブの4種目の合計得点で順位が決定する。同競技に出場したのは、村山さんを含め、予選大会を勝ち抜いてきた40人だ。

 村山さんは直前まで、「気持ちと手先がなかなか合わず」調子を崩していたが、最初に披露する種目が得意のスティックだったことで、勢いに乗った。ノーミスで演技を終え、23・275点を叩き出し、1位で好発進。続くリングは3位、ロープは4位、クラブは2位、と上位をキープ。大学生などの年長者を押さえ、大会史上初となる高校生チャンピオンに輝いた。「調子を崩していたが、結果を求めず思い切りやった。まさか総合1位を獲れるなんて思わなかったが、男子高校生で優勝するのが初ということを後で聞いてうれしかった」と大会を振り返り、よろこびを噛みしめた。

4種目のバランス「一番大きい」

 現在、国士舘高等学校(世田谷区)の新体操部に所属する村山さん。同部の大舌俊平監督は、「この競技は4種目の合計得点で順位が決まるため、それぞれの出来のバランスが大切」と説明する。特定の種目が突出して苦手だと得点を落としやすく、総合順位が大きく下がることがある。大舌監督はこのバランスを「四角形」に例え、持ち前の技術力や安定感から「村山選手はその四角形を一番大きく描ける選手」と評価する。

「技決まる瞬間楽しい」

 先に新体操を始めていた兄や姉を見て、4歳から競技を始めた村山さん。手具を使った技などが「決まる瞬間が楽しい」と夢中になり、クラブチームに入会した。当時、同クラブで指導をしていた大舌さんの影響もあり、大舌さんが監督を務める国士舘中学校(世田谷区)の新体操部に進学・入部した。

 大塚の自宅から片道1時間30分近くかけて登下校する村山さん。国士舘高校は、新体操部が強豪として知られる国士舘大学の系列校である。自宅から電車で数駅のところにある多摩キャンパスに新体操部の練習場があるため、休みの日は大学生に交じって練習場を使うこともあるという。「大学生と一緒の場で練習できる環境も、技術を伸ばすのにいい刺激になっているのでは」と大舌監督は分析する。

次の目標は「三冠」

 全日本を制覇し、村山さんが次に掲げる目標は、二つの主要大会で優勝することだ。次の全日本ユースチャンピオンシップとインターハイでも1位になり、「三冠」を達成することを誓う。今年のインターハイは惜しくも2位だった村山さん。高校ラストイヤーに向け、残された二つの目標へ狙いを定める。

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