強気に　クレバーに

　○…２年後に行われる17歳以下のＷ杯を見据え集められた代表候補合宿に今月、参加。練習試合では攻撃の軸となり得点を決めるなど、存在感を示した。今後選手の入れ替えが行われながら、２年後を目指し同様の合宿や国際試合が組まれていくが、「誰にも負けたくない。特に気持ちでは」と意気込む。全国の猛者との生活は世界に目を向ける機会にもなった。

　○…サッカーを始めたのは６歳の頃。経験者である父親に誘われ、遊び半分でボールに触れるとすぐさま夢中に。小学生時代は守備の要となるポジションを主としたが、ゴールを貪欲に狙う姿勢から攻撃プレーヤーとしての適正をみせるようになると、レベルの高い環境を求め入部した多摩市内のクラブでは攻守をつなぐ司令塔となる役割を担うようになった。親分肌。仲間を鼓舞するムードメーカーでもある。

　○…自宅近くの中学校に通う。勉強は苦手と話し、「球技は何でも得意」と笑顔。そして、気づけば仲間とサッカー談義に花を咲かせる毎日だ。自宅では両親と２人の弟との生活が待つ。サッカーに打ち込む自分と弟のためのサポートを惜しまない両親には感謝の気持ちが増す一方で、家族みんなでサッカーに取り組んでいるという意識は強い。「一番下の弟は３歳。あまり負担をかけないようにしたい」

　○…プレーヤーとしての強みは「サッカーＩＱ」の高さ。１７０センチに満たない身長でありながら、競り負けないヘディングは浮き上がったボールの落下位置を計算しジャンプするなど工夫しているから。フィジカル面では勝ることができないと自覚し、動画などで勉強を重ねている結果だ。「将来は日本代表を引っ張る存在になる」。強気に、クレバーに近づいていく。