大和市で10月30日から運行される新しいコミュニティバスをデザインした 及川 正通さん 中央林間在住 75歳
好奇心、まだまだ尽きず
○…昨年暮れ、市から新しいコミュニティバスのデザインを依頼された。正直な感想は「うーん、困った」。平面にしか描いたことがなかったため、バスのミニカーを購入し、車の形を頭に叩き込むことから創作をスタート。曲線などを想定しながら、緑あふれる大和のイメージを描いたバスを完成させた。「新たな挑戦でしたが、楽しんで仕事ができた。あとは市民の皆さんに喜んで活用してもらえたら」と微笑む。
○…同年代の子どもと遊ぶのが苦手な少年。気が付けば絵ばかり描いていた。「学校のノートは全て落書き帳状態でした」と笑う。高校進学直前、父の会社が倒産。就職を余儀なくされ、選んだのは百貨店のデザイン課だった。店内看板の張替えに始まり、ディスプレイ、電車吊りのポスター制作など何でもこなした。「グラフィックから立体物まで。ここでの仕事が後に生きた」。出版社を経て27歳で独立。寺山修二氏と出会い、劇団ポスターを制作したことで注目を集めた。そして1975年、雑誌「ぴあ」の表紙イラスト担当に。36年に渡り描き続けたことでギネスブックに登録された。
○…大和に住んですでに40年以上。知人の紹介で中央林間の米軍ハウスを一目見て気に入り、半月後には転居を決めた。「緑がいっぱいで軽井沢みたいで。でも日常生活は不便でした」と苦笑する。土日には若手クリエイターを招いてパーティーも。その場で自然発生的に生まれたバンド「OH!MANGO!」では、ボーカルとしてレコードデビューも果たしている。
○…現在、手掛けているのは生まれ故郷・大連から横須賀、大和など、縁ある土地の夢の姿を描く「ドリームマップ」。2m×2・7mの大作を30枚ほど描く、まさに「自身の集大成」といえる作品だ。「自分のルーツを巡る旅。ゴールは見えていないが、好奇心と遊び心が続く限り描き続きたい。目標は104歳まで現役でいることかな」
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>