藤沢 トップニュース社会
公開日:2026.03.06
大庭在住中野さん
「つながり」の備蓄を
被災地での教訓、地域に
東日本大震災から間もなく15年。湘南大庭地区のパークサイド駒寄自治会会長の中野正英さん(39)は、震災直後の石巻に2年ほど住み込みでボランティア活動に徹した。災害現場で目にした悲惨な光景。そこから学んだ「顔の見える関係」の重要性を説く。
「言葉を失うとは、こういうことか」
震災から約10日後、中野さんは専門学校の同級生だった菅原健介さん(現(株)ぐるんとびー代表/大庭)の依頼を受け、看護師ボランティア団体の一員として宮城県気仙沼市に入った。小高い丘を越え、津波に飲み込まれた地区に入った瞬間、緑豊かな風景は一変し、灰色の瓦礫の山が広がっていた。
中野さんは看護師の送迎や全国から届く支援物資の運搬を担った。「2週間現地で働き、1週間横浜市で休む生活。体もだが、何より心が限界だった」。凄絶な現場で、送迎する看護師たちもまた、被災者と接する中で精神的な疲弊を深めていた。
各避難所への物資調整を行う中で、中野さんは物による支援の限界を痛感した。「被災地のニーズは日々変わる。物資は生ものと同じだった。メディアで不足が報じられてから届く頃には、現地の需要とズレが生じ、余剰在庫になることもあった」
一方で、市街地とそれ以外の地域での差にも気づかされた。着の身着のまま逃れた人であふれた市街地に対し、地域コミュニティーが根付いた地区では「服は近所で貸し借りできるから、調味料だけあればいい」と互助の精神が機能していた。「平時から『助けて』と言える関係があれば、絶望的な状況でも生き抜ける」。この確信が、今の自治会活動の原点となっている。
若手生かす自治会へ
現在、湘南大庭地区自治会連合会副会長も務める中野さん。高齢化が進む組織で、若手の発想を上の世代が「やってみなよ」と支える空気感に助けられている。「有事に若手の力は絶対必要。分かっていながらも、若手の発想を取り入れず、ただ若い世代が自治会町内会に入らないと嘆いては何も始まらない」と警鐘を鳴らす。「先輩方は伝統にとらわれず若手を受け入れ、若い世代は有事の時に自分や家族を守るための先行投資として地域活動に参加してほしい」と呼びかけている。
震災=悲しいだけではない
「震災は悲しい出来事だったが、全てが悲しいことではなかった」。かつて被災者からかけられた言葉が、胸に刻まれている。中野さん自身、震災をきっかけに多くの出会いもあった。あの時の教訓を風化させず、命を守るまちづくりへ還元する。それが犠牲者への弔いにつながると信じて。
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