南林間駅近くのあかり食堂で先月、大人も参加可能な「南林間こども食堂」が開かれた。場所を固定せず、子どもに限定しないこの取り組みは、地域ぐるみで「孤食」や「欠食」を解消し、コミュニケーションの場を作ることが狙いだ。
「こども食堂」は、共働きやひとり親家庭の子どもたちの孤食を減らすため、NPO法人や社会福祉法人が地域に開設しているものが多い。
「南林間こども食堂」は、南林間駅前で高齢者施設や障害者施設に食品を販売している鈴木久さん(有限会社ケイズフードシステム代表)が地域の子ども達のために何かしたい、との想いからスタート。同じ駅前で、地域の居場所やコミュニケーションの場を提供することなどを目的に開店した「あかり食堂(野間康彰代表)」などが協力した。
「南林間〜」が他のこども食堂と違うのは、子どもに限定しなかった事。「孤食」は子どもに限らず、一人暮らしの高齢者や乳幼児を抱える母親など多世代にわたる可能性があり、「食を通して新しいコミュニケーションが築けたら」(鈴木さん)という狙いのもと、委員会では地域の課題の一つとして、誰でも参加可能にした。
さらに個店で行うと参加メンバーが限定されるため、運営委員会方式とし、地域全体からの協力を募った。食材の調達や調理、配膳のボランティアなどはSNSで情報を発信。当初、鈴木さんは「食材が足りなかったら提供する」つもりだったが、その必要がないほど集まった。
メニューはカレーライスにサラダとデザートが付いて中学生までの子どもは100円。同じメニューで高校生以上は500円、65歳以上は300円で提供。親子連れを含む24人が参加した。
会場となったあかり食堂店長の島田愛美さんは4児の母。「自分も不本意ながら子どもに孤食をさせたこともある。身近に孤独死をした高齢者も見てきた。今回の活動が広がることで『南林間=安心な街』と思ってもらえたら」と意義を話した。
中央林間から2人の子ども連れで訪れた女性は、同食堂のフェイスブックで活動を知った。1歳の子を抱えての外食は「騒いでしまうかも、と思うと入りづらい」と話す。「寄付で賄われているのに、野菜や果物までついて、普通のメニューとそん色ない」と喜んでいた。
この日はつきみ野在住で「子育てルームさといも園(中央林間)」で子ども達に野遊びを教える中山康夫さんも参加。クリスマス前ということもあり、松ぼっくり等の木の実を使った工作で、食事が終わった子ども達と一緒に遊んでいた。
鈴木さんは、今後も場所や日時を変え、2月以降も定期的に開催していきたいとしている。
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