郷土の歴史や文化、地名を分かりやすく伝えようと16年ほど前に作られた「中央林間博覧強記加留多(かるた)」。そんなご当地カルタを使った競技大会が今年12月、5年ぶりに開催されることが決まった。仕掛け人で中央林間在住の島田優実(すぐみ)さん(32)は「老若男女でカルタを囲みながら、笑顔あふれる大会にしたい」と意気込んでいる。
中央林間カルタは、大和商工会議所の中央林間地域会員交流会のメンバーたちが2008年に手作りで完成させた。
「ランドセル 背負う児増えて 緑野小」「八百屋から オオゼキの名で スーパーに」…。地元に暮らす人たちにとってはその光景が目に浮かぶような「五七五」の読み札が47枚あり、取り札に描かれた絵も同会のメンバーが手がけた。
ご当地カルタは当時、1千セットが印刷され、地域の小学校などに寄贈され希望者には販売もされた。学校では社会科の授業で教材として活用されるなど親しまれた。
09年からは「中央林間加留多大会」も開かれるようになったが、新型コロナの影響により18年大会を最後に中止が続き、現存するカルタも20セットほどになった。
友だち同士の交流を
島田さんは今から5年ほど前、生後間もない娘とポラリスを訪れた。「子どもたちがたくさんいましたが皆、家庭用ゲーム機をしていて」
「その光景が忘れられなかった」という島田さんは1年前、民間の学童を運営していることから大和商工会議所へ入会。これがきっかけとなり、ご当地カルタの存在を知った。島田さんは、中央林間地域会員交流会の初代会長だった古木通夫さん(78)らからカルタに込められた郷土愛を感じ取り、一念発起した。
今年9月中旬には、クラウドファンディングを立ち上げた。ご当地カルタ1千セットとカルタ大会の開催費用として目標額を200万円に設定。10月14日までにおよそ30万円が寄せられている。
「カルタ大会という目標にむけ、子どもたちが切磋琢磨し、友だち同士の交流を温めてくれたらうれしい」と島田さん。「カルタは頑丈な素材でできているので、公園や草むらで広げて練習しても大丈夫。元気いっぱいに遊んでほしい」と願っている。
島田さんの取り組みについて古木さんは「とてもありがたいと思うし、うれしい気持ちでいっぱい」と感謝を口にする。
優先出場権も
クラウドファンディングへの参加は「CAMPFIRE」のホームページより(『中央林間 カルタ』で検索)。
支援は5千円から受け付け。リターンはご当地カルタ進呈のほか、カルタ大会への優先出場権などが用意されている。島田さんは「少しでも関心を持っていただけたら」と話している。
問い合わせは【電話】046・200・8442(島田さん)。
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