県立中央農業高校(江原洋一校長)の2年生176人が9月24日から27日まで修学旅行で、岩手県陸前高田市を訪れ、被災地支援を行った。同校によると修学旅行で被災地支援を行ったのは県内では初めてだという。
中農高の修学旅行では昨年まで北海道や沖縄などを訪れていたが、今回、陸前高田を訪れた現2年生の入学前から担当教諭らは「観光だけで終わらせたくない」と、修学旅行で東日本大震災の被災地を訪れ支援する計画を立案していた。
これまでの行先とは性質の異なる訪問先となるだけに、保護者に対する説明も例年に比べ配慮した。入学直後に「学年だより」を使い計画の周知を図るなど例年よりも早い段階から準備に着手。当初は「せっかくの修学旅行なので遊ばせてあげたい」「放射能や地震の心配がある」といった否定的な声が大半を占めていたという。
その後も「学校だより」などを通して、訪問先が放射能被害が少なく、地盤の強い場所であることなどを説明。被災地への修学旅行計画に対し「理解」を求め続けると、次第に「不安の声」は減っていった。
生徒の中にも「東北以外」への旅行を希望する声もあったが、被災地ボランティアの講演など、事前学習を通じ「現地のいま」を知るにつれ、その声も薄れていった。
「来年度以降は増えるのでは」
9月24日から3泊4日の日程で東北を訪れた一行は2日目に陸前高田入り。畑の再生作業チーム、津波で流された家屋の跡地に花畑を作るチーム、仮設住宅を訪れフラワーアレンジメント教室や漫才、音楽演奏などを披露するチームにわかれ、支援活動を展開した。
花畑チームは生育が自然環境に左右されにくいカスミソウやポピーなどの種を播種。3月ごろには花畑にハートが浮かび上がる計画だという。
また仮設住宅訪問チームは軽音部と吹奏楽部がコラボレーションし、岩手県久慈市を舞台にしたNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」のテーマ曲を披露したほか、フラワーアレンジメントもレクチャーし、被災者に笑顔を届けた。
江原校長は被災地への修学旅行を終え、「植物や動物の命に触れるのが、中央農業高校での勉強。命の尊さを考えるきっかけになったのではないだろうか。今回の事例を受け、来年度、修学旅行で被災地を訪れる学校も増えていくのではないだろうか」と話していた。
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