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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2020.07.17

海老名市医師会長として、海老名市版PCR検査場で総指揮をとる
高橋 裕一郎さん
海老名市中央在住 72歳

病気より患者さんを診る

 ○…海老名市医師会と海老名市が今年5月、運動公園陸上競技場にPCR検査場を開設した。医師会長としてその総指揮をとる。5月2日の開設から毎週木曜日と土曜日に会員医師が検査に赴いている。その会場に足繁く通い続ける。東京の若年者を中心に感染が再拡大する今「第二波はまだこれから。検査体制の整備と重症化防止のため近隣医師会との連携が急務」と、気を緩めない。

 ○…1948年、宮城県の秋保温泉郷に生まれた。祖父は手術と入院ができる、町の開業医だった。戦後に医師となった父もまた開業医になった。患者に寄り添う祖父と父は「病気よりも患者さんをみる」医者で、性格も含め「自分は二人のいいとこどり」と笑う。東北有数の進学校、仙台二高から北里大学医学部へ進み医師になり、医局から派遣された座間市の相模台病院に15年間勤務、副院長まで勤めた。

 ○…「祖父の病院を継ぎたい」と、故郷での開業を見据えていたが、15年寄り添った患者との間に生まれた人情がこの地に根付いた。ほどなく海老名に縁が生まれ人工透析を中心とした腎健クリニックを開業、海老名市医師会に入会した。敬愛する先代会長の田中昭太郎氏から在宅医療の重要性について薫陶を受けた。「腰は軽く。そう言われたことが自分の至誠となっている」

 ○…「話を遮らず聴く。そうすると時間はあっという間にたっちゃうね」と、患者への傾聴は30分に及ぶこともある。病気はもちろん患者と向き合う医師としての矜持は、祖父や父から受け継いだDNA。この春からは念願だった在宅患者への訪問診療を始め、電話が入れば可能な限り診察に時間を割くことにしている。海老名市医師会の5代目会長として今年が5年目。

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