意見広告・議会報告
新春特別対談 海老名・座間・綾瀬の県議3人に聞く
2021(令和3)年がスタートしました。昨年は新型コロナウイルス感染症拡大を受けた政府による緊急事態宣言や、それに伴う神奈川県による医療提供体制「神奈川モデル」の整備、各自治体による感染症対策などこれまでに経験したことのない1年となりました。コロナ禍で迎えた新たな年の始まりにあたり、海老名市、座間市、綾瀬市選出の県議3氏に今年の課題や抱負を聞きました。【企画制作/県央3市3県議対談チーム】
ピンチをチャンスに変える
あけましておめでとうございます。タウンニュースの発行エリアが変わったことで今回の県議3氏による対談が実現しました。初めての試みですがよろしくお願いします。
県政の課題
――それではまず県議会で皆さんが所属する常任委員会の立場から、今年の県政における課題などについてそれぞれお願いします。
長田(文教)
やはり新型コロナウイルスのことは避けられません。昨年は学年の途中で学校が一斉に休業となりました。これから年度末に向かう中で小学生から高校生までのすべての学年において、年度内の必要なカリキュラムをしっかり終業、修了するということがまずは大事になります。2月には高校入試を控えていますので受験日当日の発熱など不測の事態に備え、改めて試験を受けられる機会を確保することも重要になります。
綱嶋(総務政策)
2021年度当初予算は約1100億円の財源不足が生じると予測されています。この不足分をどう補うか、新たな財源をどう確保し計画されている何の事業を削るか、議会としてしっかりとチェック機能を果たし、事業の精査と無駄を削減していくことが求められます。コロナ禍で必要・不要なもの、先送りできるものをしっかりと取捨選択することが重要です。現下の厳しい状況を踏まえ、議会の場においてこれまで以上に財政や政策について意見、議論を交わし、コロナ禍の県民生活の安定に寄与していきたいと思います。
芥川(産業労働)
昨年は新型コロナ感染症の拡大により多くの県内企業が経済的な影響を受けました。そうしたなか、コロナ対策とともに県内経済のエンジンをどう回していくかが、県政においても国と同様で重要となります。企業収益が大幅減になるなかで税収も大幅に下がり、企業や事業者の倒産件数が増えることになります。それによって失業者がさらに増え、自殺者も増えていくことが懸念されます。こうした点からも県内企業、事業者への経済対策をさらに強く講じていく必要があると考えています。
地域の課題
――それぞれの地域の課題についてお聞かせください。
長田(海老名市)
新型コロナによって翻弄された令和2年でしたが、危機というのは何も感染症だけではありません。令和元年の台風19号では、ダムの緊急放流により相模川が氾濫する危険にさらされました。相模川の左岸に沿った縦長の地形が特徴の海老名市は、ハザードマップの対象となる低い地域が市域の大半を占めています。その全体が冠水した場合、避難の対象人口は5万人にもなります。これだけの人が避難できる避難所は市内にはありません。そこで広域行政の県は近隣の市町村どうしで避難所を提供しあうような仕組みを作ること。県の施設を避難所として活用すること。更に民間の立体駐車場などと協定した車中避難なども必要な施策です。防災対策も、地震、水害、感染症など様々なケースを想定する必要を感じます。
綱嶋(綾瀬市)
今年上期には東名高速道路の「綾瀬スマートインターチェンジ(厚木IC〜横浜町田IC間)」が開通します。コロナ禍において綾瀬市の明るい話題です。この好機を今後のまちづくりに繋げるかが大きなポイントです。先行き不透明な状況下においては、計画している事業の取捨選択や再考は必須であり、何より県と市が協力し企業がより活躍できる状況の創出と環境整備に取り組むことが地域活性化に必要な施策だと考えます。まちづくりの弊害となっている土地利用の規制やルールの見直しもそのひとつであり、都市農業の抱える問題を踏まえた首都圏に位置する農地の利活用も重要な課題です。
芥川(座間市)
座間市においてはこのコロナ禍のピンチを、チャンスに変えるチャンスにあると思います。相模川に沿って田園風景が広がる座間市の西部は、座間市にとって大きな地域資源だと考えています。県内外からこうした環境をめざして多くの人が移住してくるような政策が必要なのではないでしょうか。一方、座間市の東部では、商業施設や物流倉庫が増えています。新しい住宅地も増えて雇用をしやすい環境があるため、企業の進出が進んでいます。そうしたなかで座間市の東西軸を結ぶ都市計画道路、座間南林間線は令和3年度内の都市計画変更をめざして地元説明会に入っています。移住促進や都市計画道路の整備促進においても市議会の皆さんと綿密に連携していきたいと考えています。
新型コロナ
――ウイズコロナ・アフターコロナについてはどのようなご所感があるでしょうか。
長田
コロナ後といわれますが、やはり一度、コロナの前に戻すべきではないでしょうか。お互いに顔を見て、マスクなどせずに交流することは生きる喜びだと思います。感染症拡大の終息が前提ですが、三密回避やソーシャルディスタンスといった対策をずっと続けるようなことになってしまうのはやはり良くありません。そういう部分はもとに戻し、一方、コロナ禍で加速したリモートによる働き方改革など、変えるべき部分は変える。両者を分けて考えていく事が大事だと思います。
綱嶋
私も長田県議と同感です。もとの生活には戻れない、そういった悲観的な考え方が蔓延してしまう世の中はとても悲しい。そのためにも、国や県がワクチンなど衛生上の施策をしっかりと考え、確実に実施していくことが極めて重要であり、課題とも言えます。
芥川
私が昨年もっとも危惧したことが地域コミュニティのことでした。このまま失われていくんじゃないか。そんなことを感じました。高齢化が進み地域のイベントなどを継続することが難しくなるなかでの新型コロナでした。今年また来年とこのまま地域の行事ができなくなると、行事そのものが不要だといった議論にもなりかねません。こうした状況を乗り越えるためにも地域の力が大切だと感じています。
長田
ここも3人の意見が一致していますね。もうひとつ加えると今年は何といっても東京五輪を成功させなければなりません。神奈川県内ではセーリング、野球、ソフトボール、サッカー、自転車の競技が行われます。五輪の成功をステップにして明るい時代へ繋げていくことが重要です。
3人の横顔
――ところで普段のみなさんはどんな仲なのでしょうか?当然、自民党県議団ということであるとは思いますが。
芥川
顔を合わせれば文句を言い合う仲(一同笑)。お二人からはいい助言やアドバイスを頂いています。甘利、義家両代議士との連携はもちろんですが、私たちのように近隣市選出の自民党県議が連携を果たすことは各市のためにもなります。
綱嶋
屈託のない意見交換をする仲です(一同笑)。たとえば大塚本町の交差点の課題については長田県議に音頭を取ってもらい勉強会を重ねています。私はどうしても綾瀬市のことになりがちですが、このように県議の役割である広域的な見地において、お二人はとても頼りになる存在です。
長田
県議会には自民党県議が50人いますが、そのなかで衆院神奈川13区には、我々3人と大和市選出の藤代県議の4人がいます。県議会や自民党神奈川県議団の要職に就くこの4人がタッグを組むことで、ひとつ大きな力をもっている側面もあります。
国・県と連携
――今後の国県との連携については。
長田
コロナの話に戻りますが、芥川議員がおっしゃるようにピンチをチャンスに変えることが重要です。コロナ禍でもたらされたチャンスはデジタル化と環境政策です。この2つは今後も大切になります。神奈川には「はやぶさ2」のJAXAがあり、海老名には産業総合技術研究所があります。新時代の技術をどう生み出すかが重要になるなか、そうした分野のオーソリティである甘利明代議士が地元にいます。代議士との連携を組みながら、地域が繁栄するような政治環境をつくっていきたいと思います。
綱嶋
河野行革担当大臣のもとで規制改革を着実に進めていただきたい。現状、古い価値観の中で様々な規制があります。先ほども触れましたが、綾瀬市の場合は特に土地利用の面で国や県がリードして規制を変えてもらわないと、本市が持つポテンシャルが発揮できず自立もままならない。これでは持続可能な行政はつくれません。基礎自治体の状況や意見に耳を傾け、柔軟な運用をしてもらいたいと思います。
芥川
座間市内には(衆院選挙区が2つあるため)自民党代議士が2人います。地域経済の発展には甘利代議士、将来を見据えた教育政策という点では義家代議士がいます。市議会の皆様とも連携をしながら未来を見据えたまちづくりの取り組みを続けていきたいと考えています。 (了)
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