座間市内で昨年急拡大した「ナラ枯れ」が、今年も同程度の被害が確認され収束が見通せない。県立座間谷戸山公園では、8月22日時点で107本の被害を確認し、さらに増える見通し。座間市が管理する公園でも被害は昨年並みで「心が折れそう」と市担当者は肩を落とす。
ナラ枯れは、体長5mmほどの昆虫「カシノナガキクイムシ」が媒介する「ナラ菌」によってブナ科の、主に大きな老木が枯死する伝染病のこと。葉が急速に赤褐色に変色する。県内では2017年8月に箱根と三浦で初めて確認され、県西部などの森林地帯から市街地へと各地に広がりをみせている。秦野の葛葉緑地では昨年の倍の深刻な被害となっている。
座間谷戸山公園では、被害が一昨年(24本)の12倍と急拡大した昨年(302本)並みの被害を見込む。今年は8月22日までに新たに107本の被害を確認。園では、倒木の影響が大きい範囲に重点を置いて調査をしており、公園担当者は「林の中でこれ以上被害が広がっている可能性がある」とし、「大径木が多数あり、今後の被害が心配」と懸念を示す。
園では対策として枯死や菌の増殖を防ぐための樹木への薬剤注入(樹幹注入)を20本実施した。枯死した木の伐採は県が実施する予定になっているが詳細は未定。今後の見通しについて「早期の収束を望んでいるが、公園以外からの虫の飛来もあり、なんともいえない」と述べた。
座間市では昨年、市が管理する7つの公園で49本を伐倒焼却し、237本に樹幹注入を行った。今年度も同程度の被害とみており、対策に1200万円の予算措置を講じている。市公園緑政課は「収束は見通せず心が折れそう」と述べる。
一方、行政では処置できない民有林での対策も行われている。民有林などで対策の必要性を呼び掛け、対策方法を伝授している市民団体「座間安全・安心推進会」の小林覚代表は「ナラ枯れを知らない人がまだ多い。倒木による人的・物的被害が出た場合、所有者に責任が発生する可能性がある。早期発見が大事なので市民に危機感を持ってもらいたい」と話した。
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