ロスを有効活用して新たな価値を生み出す「アップサイクル」が脚光を浴びている。海老名市国分南の株式会社栄屋製パン(梅田高嗣代表)は、パンの耳を原料としたクラフトビールを醸造事業者と協力して商品化した。販売から半年を迎え、「話題の商品」としてじわじわと醸すように注目を集めている。
クラフトビールは、サンドイッチ用パンの製造過程で発生するパンの耳を有効活用したもの。1日でトラック1台分に相当する量のパンの耳が発生するといい、同社は飼料として畜産農家へ無償提供している。クラフトビールはこうした背景から誕生した。
パンの耳は菓子などの活用法がある中で、同社の吉岡謙一専務が参考にしたのは廃パンから「トーストエール」というビールを作るイギリスの事例だという。3年前から商品化に向けて1人で動き出し、ネットで調べた60社のクラフトビールの醸造事業者にメールで趣旨を説明。意気投合した横浜、新潟県、石川県に醸造所を置く3社から協力を取り付けた。乾燥させてから粉砕したパンの耳を原料として各社に提供し、醸造されたビールを買い取る仕組みで販売にこぎ着けた。
特徴的な4商品
クラフトビールはパン由来のすっきりとした酸味や香ばしさ、しっかりとした味わいなど、それぞれの産地で特徴が異なる4商品が誕生した。
商品は3〜6本セットで販売されており、価格は2244円〜4653円。ECサイト(https://upcycle-beer.com/)で購入できる。
吉岡専務は「当社で発生するパンの耳の全体量からすると、ビールの原料に使用する量はほんのわずか」としたが、「環境への負荷軽減を考えると継続的に製造していくことが大切だと思う」と話していた。
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