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児童養護施設「成光学園」 巣立ちの春「いってらっしゃい」 矢部雅文園長 子どもたちにエール
辛くなったら帰っておいで―。原則18歳までとする児童養護施設でこの春、退所する多くの若者が自立し、それぞれ希望する道へと巣立つ。座間市の児童養護施設「成光学園」の矢部雅文園長に、退所する子どもたちへの想いや施設運営の在り方を聞いた。
―子どもたちにとって巣立ちを迎える季節になりましたね
高校生5人と中学生3人が3月末に退所します。高校生は進学や就職など、それぞれ自立しながら志望する道へと進み、中学生は自宅に帰ります。
入所する子どもたちは親の虐待や経済状況など、家庭環境に起因するさまざまな事情を抱えています。これらの事情は簡単に改善されることは難しく、多くの子どもたちが18歳まで施設で暮らしています。中学卒業と同時の退所は極めて珍しいケースと言えます。
―退所する子どもたちには、どのような気持ちで接しているのでしょうか
退所によって子どもたちと縁が切れるわけではありません。常に「いってらっしゃい、がんばって」という気持ちで見送っています。子どもたちはこれまで退所した先輩を見ているので、ここを離れて新しい生活を始める難しさを知っていて、当然、我々も厳しさを伝えています。
成人年齢が18歳に引き下げられたからといって、子どもたちには自分の力ではどうにもならないこともあってコロナ禍には、突然仕事を失う卒園生もいました。「いってらっしゃい」という言葉には、「辛くなったら帰っておいで。何とかしてやる」という支えの気持ちも込めています。
辛い経験で帰ってくる卒園生を滞在させるため、地域の方から寄せられた遺贈金を活用し、3年前に設置したコンテナハウスはその一つです。
周囲の支援「未来の投資」
―地域住民などからの支援も施設運営に役立てられているのですね
ありがたいことに米や菓子、学用品などの物品や金銭的な支援など、個人や企業、団体など大勢の方々から支援が寄せられています。児童養護施設の運営費用は、国や県によって賄われています。金額は施設規模や人数などによって細かく定められていて、子どもたちの生活や教育に活用されています。
当施設も定員75人に対して入所児童が40人を下回り、経営的に苦しかったコロナ禍を乗り越えられたのは、周囲の支援があったからだといっても過言ではありません。
私は個人や企業、団体などからいただく寄付金は「子どもたちの未来」や「地域社会の将来」に期待する投資、あるいは信託と受け止めています。想いを込めて託してくれた方々には描く未来があって、その期待に応えなくてはいけないと考えています。
―子どもたちにとって望まれる環境とは
子どもたちにとって安心できる場所でなくてはならないと考えています。そのためには施設環境はもちろんですが、子どもたちが通う学校や生活圏も同様に地域の方々にも施設の意義や目的の周知を図り、安心の目を向けていただけるよう努めなければなりません。
誕生会やクリスマス会など、家庭で行われている催しが「施設だからできない」という理由で、子どもたちに寂しい思いをさせたくありません。7歳から高校生までの子どもたち50人の誕生日をそれぞれ祝って、正月にはお年玉も配ります。私たちは父親や母親にはなれませんが、家庭と同じように人とのつながりを感じられる雰囲気づくりを心がけてまいります。
■成光学園/座間市緑ケ丘4の20の21/【電話】046・251・0128
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