厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日:2013.02.22
今年度より厚木市園芸協会いちご部会の部会長を務める
内海(うちうみ)則行さん
下津古久在住 57歳
ものづくり魂 いちごに
○…半世紀以上続くいちご農家の2代目。父の跡を継いで4年目で異例の部会長に就任した。現在取り組んでいるのがいちごパックの改良。通常の2段詰めパックより平底の「平パック」を使うことで、いちごを傷つけずに一列に並べて詰められる。「1日の作業の2割はパック詰め。これが意外と難しい。平パックにすることで効率性を上げたい」と話す。エンジニアのような分析力。それもそのはず。元ソニー社員という異色の経歴を持つ。
○…中途社員として32歳から21年間務めたソニーでは、開発設計部門に長年所属。コードレス電話など、通信機器の設計に携わった。中でも印象に残っているのが世界初の無線テレビ「エアボード」の開発業務。インターネットやメール機能も備えた、いわば「元祖iPad」とも言うべき製品の開発に全力を注いだ。「当時は11時より前に帰ったことなかったね。ヒットしていれば…」と遠くを見つめる。その後品質保証部門に異動し、質の高いものづくりの重要性を学んだ。
○…電機メーカーからいちごの世界に飛び込んだのは、体調を崩した父を慮って。「さすがに定年からいちごを始めるのは遅いかな」と早期退職。「電機メーカーと農業は180度違うと思ったけど、今ではほとんど同じだと思う」という。「ただ作るだけではダメ。お客さんが求めているものを考え、品質が良いものを作らなきゃいけない」。メイドインジャパンを支えた「ものづくり」の魂が、いちご作りの中に詰まっている。腰を屈めずにもぎ取りができ、車いすやベビーカーでも通路を通れる「高設栽培」の導入は、客の目線に立った改良のひとつだ。
○…下津古久に母・妻・愛猫「にゃんた」と共に暮らす。趣味は月に2、3回は行くというゴルフ。ベストスコアは70台。「大神の練習場とか、昔よく行ったね」。エアボードより、いちごより、ゴルフを語るその姿が一番熱っぽかった。
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