厚木版 掲載号:2017年9月8日号
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神奈川工科大学のソーラーカープロジェクトでリーダーを務める 中沢 允(みつる)さん 妻田北在住 20歳

車に懸ける青春

 ○…8月に行われたソーラーカーレース「2017ワールド・グリーン・チャレンジ」のアドベンチャークラスで3連覇を達成。2年ぶり2度目の総合優勝も飾った。レーシングカーには乗らず、コックピットからドライバーへ指示を送る司令塔。年に似合わず淡々と、かつ思慮深く話す落ち着きっぷりで、10人のチームをまとめあげた。

 ○…長野県埴科(はにしな)郡坂城町の出身。りんごやバラ、ねずみ大根が名産の、山に囲まれた静かな町で4人兄弟の末っ子として育った。食卓を囲んではおかずを取り合い、ケンカをすれば負けて泣かされ、たくましさを身につけた。「マンガですらどう読んでいいのかわからない」ほど読書が苦手で、工作に情熱を傾けた。一人乗りの電気自動車でレース出場常連校の、長野工業高電気科へ進学。班活(部活と同意)で自動車制作に取組み、「傍から見たらぼーっとしている」風を装いながら、授業中も電車通学中も、頭の中では忙しく車の部品の構想を練っていた。

 ○…すぐ上の兄が進学した神奈川工科大を初めて訪れたのは、高校1年のとき。ソーラーカー制作で著名な複数の大学で迷った進路の決定打となったのは、同大が創立50周年記念事業の一つとして挑戦した、ソーラーカーの世界最高峰レースのテレビ中継の模様。二次元から三次元へ、頭で考え形にしたものを動かす楽しさに、思う存分没頭する場所を見つけた瞬間だった。

 ○…現在、自動車システム開発工学科の3年生。好きな自然や世界遺産など、テレビに映るさまざまな景色を自分の目で見たい、という希望はある。だが「理系の学生は勉学に励むべし」という父の考えで、仕送りと奨学金の一人暮らし。「時間もお金も休みもないんです」と笑いながらも、熱っぽく語る横顔には充実ぶりが伺える。将来は「人が乗っていて安心できる車」を作るエンジニアを夢見て、まずは制作中の新型車両完成に汗を流す。

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