「ありがたかった。先代の父がコツコツやってきた賜物。父がもらったようなもの」。不動産賃貸業を営む有限会社飯山倉庫。代表取締役の飯原菊枝（62）さんはこう話す。
今回の表彰理由は経営の合理化。飯山にある２つの倉庫を、それぞれ企業に貸していたが２社ともに撤退し、２０１０年頃には２つとも空いてしまった。「アパートの１室と違って、大きい倉庫だから１カ月空くだけで大きな損失だった」と当時を振り返る。倉庫の借り手がなかなか見つからず頭を抱えたが、倉庫に隣接する生産緑地に指定されていた土地を宅地に転用。駐車場スペースを確保することで、コンビニの誘致に成功した。また、愛甲石田駅そばの築20年ほどの賃貸アパート（10室）を一部屋ずつリフォーム。設備や見栄えを充実させ、入居者を安定させたことも、受賞理由の１つという。飯原さんは「助けてくれたみんなのおかげ」と感謝する。
同社は１９７４年設立。先代の父の病気を機に、14年に菊枝さんが２代目社長に就任した。「当社は、利益よりも信頼を大切にしてきた。先祖代々守ってきた土地や資産を、次の代に繋げることが使命」と話す。
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