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戦没者へ、平和の誓い深く

社会

公開:2018年8月24日

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献花台に菊を手向ける参列者=8月17日・厚木市文化会館
献花台に菊を手向ける参列者=8月17日・厚木市文化会館

平成30年度厚木市戦没者追悼式が8月17日、厚木市文化会館小ホールで行われた。厚木市主催。厚木市遺族会や各界代表者ら256人が参列した。

小林常良市長の式辞と、市遺族会の潮田春男会長の追悼のことばを全文掲載する。

 式辞

 本日ここに平成30年度厚木市戦没者追悼式を執り行うに当たり、先の大戦で大切な御家族を亡くされた御遺族、関係者並びに御来賓の皆様をはじめ、多くの皆様に御臨席を賜りましたことを心から感謝申し上げます。開式に当たりまして、22万5千の厚木市民を代表して式辞を申し述べます。

 多くの尊い命が犠牲となった先の大戦の終結から、73年の月日が流れました。祖国の繁栄を願い、家族の身を案じながら、掛け替えのない命を犠牲にされた戦没者の皆様、度重なる空襲の犠牲となられた戦災死没者の皆様の御冥福を心からお祈り申し上げます。

 激動の昭和を引き継いだ平成も30回目となる最後の夏を迎え、時代とともに戦争の記憶は薄らいでいこうとしています。しかしながら、最愛の肉親を失われた御遺族の皆様の悲しみは、少しも風化されることなく今もここにあるものと拝察いたします。戦後の混乱の中、その苦痛に耐えながらも力強く歩んでこられました皆様に深く敬意を表す次第です。

 平和とは、自然に笑顔になれること。平和とは、人も自分も幸せであること。平和とは、夢や希望を持てる未来があること。これは広島の平和記念式典で、小学生によって宣言された「平和への誓い」の一節です。私たちが享受している今日の平和と繁栄は、紛れもなく戦禍に巻き込まれた皆様の尊い犠牲と御労苦の上に築かれたものです。子どもたちが未来への希望に目を輝かせ、笑顔で幸せに暮らせる平和な社会を守り抜くことは、今を生きる私たちに課せられた最も大切な使命です。一人一人が不条理な戦争について理解し、過ちを繰り返さないことを誓い、その愚かさを後世まで引き継いでいくことが恒久平和への確かな道筋になるものと信じております。

 厚木市は今月4日、沖縄県糸満市と新たに友好都市を締結いたしました。先の大戦において激しい地上戦が繰り広げられ、県民の四人に一人が命を落としたといわれる沖縄戦における終焉の地です。平和祈念公園やひめゆりの塔など戦争の傷跡を今に伝えるまちとの交流は、次代を担う子どもたちをはじめとした多くの市民の皆様に平和な社会の尊さを再確認いただける貴重な機会になるものと確信しております。

 結びに、世界の恒久平和に向けてこれからも全力を尽くすことをお誓い申し上げますとともに、戦没者の方々の御冥福と、御遺族をはじめ御参列いただきました皆様の御多幸と御健勝をお祈り申し上げ、式辞といたします。

平成三十年八月十七日 厚木市長 小林 常良

 追悼のことば

 本日、ここに厚木市戦没者追悼式が執り行われるにあたり、厚木市内全遺族を代表して謹んで追悼のことばを捧げます。

 ご英霊の皆様は、過去の数次の大戦において故郷・祖国を思い、家族を案じ、心ならずも何物にも代えがたい尊い命を祖国のために捧げられました。

 早いもので、昭和二十年八月十五日の玉音放送の日から七十三年という歳月が過ぎました。しかし、私達遺族にとってどんなに歳月が流れようと、家族・肉親を失った悲しみは片時も忘れたことはありません。また、ご英霊の皆様方がどんな思いで海外諸地域の戦場で、また、海上で、極寒の地で、辺境の地で命尽きたのか、そのことを思うだけでも胸が張り裂けそうになります。

 日本は戦後、長きにわたって平和と豊かさを享受して参りました。これもひとえに、ご英霊の皆様方の尊い命の犠牲の上に築かれたものであるということを私たちはしっかり胸に刻んでおります。また、戦後残された祖父母や母が、身を削る思いをしながら、互いに助け合い、悲しみや困難を乗り越えて戦後の日本を築きあげてこられました。

 残念ながら、世界を見る時、今もなお、紛争やテロが起きており、多くの人が傷つき、苦しんでおります。本当に平和と言える世界が、いつの日かくるのかを切に願うばかりです。

 七十三年の歳月が過ぎ、戦後に生まれた人が大半を占める昨今、戦争があったという事実が風化されようとしています。その事実をしっかりと後世に語り継ぎ、そのようなことが二度と繰り返されないようにしていくことが、今を生きる私たちの使命であると改めて心に誓い、これからも戦没者の御霊を慰め、併せて世界の恒久平和の実現に向け、命ある限り努めていくことをここにお誓い申し上げます。

 結びに当たり、さきの戦争で亡くなられた多くの方々の御霊のご冥福をお祈り申し上げると共に、本日、追悼式典を開催していただきました厚木市長様をはじめ、ご来賓、関係者各位、ご参列いただきました皆様方に深く感謝を申し上げ、追悼のことばといたします。

平成三十年八月十七日 厚木市遺族会会長 潮田 春男

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