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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2019.01.18

厚木市内11カ所で絵手紙教室の講師を務め、現在年賀状展を開催中の
萩原 トミエさん
上荻野在住 68歳

「ふだん着のわたし」輝く

 ○…「健康のために階段はなるべく使わないの。歩きましょ!」手作りの柿渋バッグを持ち、きびきびと歩く。念願のマッサージチェアは「折角買ったのに座る暇がないから埃かぶっちゃって」とお茶目に笑う。あふれ出るような活力を、絵手紙の中に勢いよく迸らせる。

 ○…清川村生まれ。林業に従事する父と専業主婦の母、姉2人に弟の4人きょうだいの中で育った。幼少期からの得意技「木登り」は、いまだに梅の実採りや柿もぎに活かされている。宮ヶ瀬中学を卒業後、ソニーに入社。工場でオペレーターとして勤務するなか「素朴な人柄に魅かれて」生涯の伴侶を得た。4人の子宝に恵まれ、夢中で子育て。手製の洋服やセーター、子どもたちが「母の味」と今も愛するミートソースやまぜご飯など、日常生活のあれこれにたっぷりの愛情を込めた。

 ○…子育てがひと段落したのち、民生委員や更生保護女性会など、地域活動に従事。絵手紙に出会ったのもそのころだ。役員をしていた公民館で企画した絵手紙教室に、自分も参加。真似ることではなく独自性を活かせるところにハマった。習い始めて半年後には講師の資格を取り、教える側に。20年経った今は、市内11カ所に60代〜80代の生徒が約100人。各教室で月に1度、笑顔のやりとりをしている。

 ○…絵手紙は「大きく描くほど想像が広がるから」はみ出すくらいに描くのがコツ。「上手いも下手も気にせず、ふだん着のままの自分でいいんです」。特別な道具どころか「ポキンと折った割り箸や枯れた紫陽花の茎が、いい筆になったりするのよ」と、やまぬ好奇心と探究心で、唯一無二の1枚を描き続ける。ちなみに最も大きな作品は畳1枚分ほど、荻野公民館の体育室に掲げられた『荻野讃歌』がそれだ。

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