戻る

厚木・愛川・清川 コラム

公開日:2020.07.03

不謹慎かもしれませんが

 うちの近所に常にガラガラの喫茶店がある。独りになれるので、書斎代わりによく利用している。それほど客がいない。



 このステイホームで、さすがに潰れるだろうと思った。しかし今も営業している。うっかり親しくならぬよう、店主とも話さないようにして来たのだが、先日、久しぶりに訪れて思わず声をかけてしまった。



 「持続は出来そうですか?」



 ちなみに我が扉座は風前の灯火だ。芝居なんか不要不急の代表だ。最も被害の大きいカテゴリーで、業界全体青ざめている。弊社も20年間維持して来た飯田橋の事務所を解約して引き払い、一切合切を稽古場に運び込む緊急事態となっている。



 「思いがけず持続化給付金を百万円も頂戴しまして。こんな大金、今まで持ったことがないので、びっくりしてます。長く喫茶店やって来て、今年が一番金持ちです」



 辛い話ばかりでなく、こんなハッピィの一つぐらいあっても良い。そうやって多少お金も溢れてくれないと、我々の不要不急の仕事にまで回っちゃ来ないだろう。



 かつてニューヨークで長期に渡る大停電があった時、街も人も大混乱に陥ったけど、暗闇に灯されたキャンドルの灯火で、さまざまな恋が生まれたという。



 コロナ禍の不安のなかで、ステキなことも起きていると信じたい。



 目下、厚木市文化会館も扉座も、さまざまな活動の再開に向けて鋭意努力中です。文化芸術は生命維持装置。大事に再起動させてゆきます。

 

    ピックアップ

    すべて見る

    意見広告・議会報告

    すべて見る

    厚木・愛川・清川 コラムの新着記事

    厚木・愛川・清川 コラムの記事を検索

    コラム

    コラム一覧

    求人特集

    • LINE
    • X
    • Facebook
    • youtube
    • RSS