障害者の就労施設(事業所)への業務依頼を代表して受ける窓口「厚木市障がい者就労施設共同受注窓口(伊吾田弘代表/通称・てとて)」が今年4月に開設された。事業所の発注を増やすことが目的で、障害者の安定的な就労、工賃の確保をめざす。
これまで事業所への業務依頼は各々で受けていた。しかし、事業所のキャパシティを超える大口注文に応じることができなかったり、営業活動のノウハウがなかったりと「対応に限界があった」と伊吾田代表は話す。一方で、企業側も事業所を自力で探す必要があり、発注までに手間を要するのが課題だった。
さらに昨年、新型コロナウイルス感染症が流行し、企業から事業所への発注が全体的に大幅減少。伊吾田代表は「個々では太刀打ちできない状況になってしまった。事業所の中でも格差ができてしまい『今日も作業がなくてどうしよう』というところも出てきた」と話す。
そのような状況下で、「事業所同士で互いに助け合えるように」と伊吾田代表が中心となり、今年4月に窓口を立ち上げた。
事業所とマッチング
てとてでは、業務を依頼したい企業・団体等と、その依頼に対応できる事業所とをマッチングする。現在、登録しているのは市内にある15の事業所。未登録の事業所へは、今後も登録の呼びかけを行っていく。
窓口の設置で、事業所は業務の均一化や発注の取りこぼしを防ぐことができ、研修や相談、営業活動ができるようになるメリットがある。発注者には、スムーズに事業所とマッチングできるなどの利点がある。
現在、てとてに発注できるのは食料品(お弁当、パン、クッキー、シフォンケーキほか)や小物・雑貨(マスク、エコバッグ、メモ帳、ふきん、缶バッジほか)などの自主製品。さらに、清掃、除草、クリーニング、ポスティング、箱詰め、印刷、チラシ折りなどの役務・受託加工などのサービスにも対応する。
「大勢に知ってほしい」
まずは、てとての存在を知ってもらおうと6月にホームページを開設。今後は市内企業や団体へ訪問して周知を図っていく。伊吾田代表は「まずはより大勢の人にてとての存在を知ってもらいたい。大口の注文など、どんなことでも気軽に窓口にご相談頂ければ」と話す。
てとてへの問合せは【電話】046・248・8351(工房小野橋)、【メール】atsugikyodojuchu@gmail.comへ。
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