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厚木・愛川・清川 文化

公開日:2021.07.16

厚木市妻田東在住保田温良(はるよし)さん
木版画で巡る「厚木百景」
アツギ・ミュージアムで「絵はがき展」

  • 木版画による「厚木百景」を手掛けた保田さん

  • 長谷寺観音堂(上)とかつて小鮎地区にあった古民家志村邸(下)

 厚木市妻田東在住の保田温良さん(78)による「厚木百景 木版画絵はがき展」がアツギ・ミュージアム(厚木市飯山1006)で開かれている。厚木市を象徴するような風景を題材に、6色を刷り重ねる色版法が醸し出す色彩が目を引く。展示の中には、2000年に取り壊された小鮎地区の古民家志村邸や架け替え前の庫裡橋など、今はなき当時の様子を伝える作品も並んでいる。



 「厚木百景」の制作は、厚木市が1998年に地域の見どころを1枚にまとめて発行したリーフレット「あつぎ100選るっきんぐ」がきっかけ。当時、会社をリタイアした直後だったこともあり、「地域に目を向けて歩いてみよう」と一念発起。「あつぎ100選」を題材に木版画制作をスタートさせ、完成までに4年を費やした。



 「喜んでくれるのが嬉しくて」。制作に協力してくれた各所の関係者に、完成した絵はがきを渡すと相手の表情や感謝の言葉が制作の励みになった。幼少期から自己流で年賀状用の木版画を彫り続けてきたが、構図や技法、色づかいに関する参考文献を読み漁って独学で基礎から学び直して技術を磨いた。木版画は「描く、彫る、刷るの3工程がある」と言い、「楽しみが3回もあるんだよ」と笑う。暑中見舞いや季節の便りなど様々な場面で活用できるという理由で、はがきサイズにこだわっている。



 保田さんは活動の幅を広げ、現在木版画作家として活躍中だ。都内の文具店や画材屋などで郷土玩具を題材にした木版画絵はがきを販売しており、外国人観光客の間で人気だという。保田さんは「身体が動く限り続けたい」とし、「作品を通して多くの人に木版画と厚木市の魅力を伝えられたら」と話していた。



 時間は午前11時〜午後5時。入場無料。会場で木版画絵はがき販売もある。なお同展の終了日は未定。問合せはアツギ・ミュージアム【電話】046・241・4018へ。

 

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