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厚木・愛川・清川 社会

公開日:2022.02.18

地域も会社も一緒に元気に
人の森株式会社

  • 同社が管理・運営する採石場(厚木市飯山)

  • 加藤政徳社長



 厚木市飯山で採石業を営む人の森株式会社華厳工場(近藤嘉幸工場長)が昨夏から地域の交通安全対策に取り組んでいる。発端は、近隣の飯山小学校からの「交通安全対策について協議しないか」という声掛け。同小の通学路は華厳工場を出入りするダンプカーをはじめ多くの大型車が往来するため、同小の保護者らから、子どもたちの安全を心配する声が上がっていることを協議の場で聞いた。





 そこで、同社はこの話を社内に持ち帰り、検討。社員から上がった40ほどのさまざまなアイデアの中から実現可能なものを学校側に提案し、実際に取り組んだ。





 具体的には、子どもたちの通学を見守る「見守り隊」を発足。登校班の集合場所などに同社の社員が赴き、そこから学校の入り口まで「安全運転ありがとうございます」と書いたプラカードを持って最後尾に付いて一緒に歩き、ドライバーへの注意喚起を促しながら、子どもたちの通学を見守っている。





 同時に、子どもたちの通学時間帯にあわせて、華厳工場を出発するダンプカー3台ほどに、「ペースカー」の表示を依頼。この3台ほどがペースメーカーとして制限速度で走ることで、通学路を往来する他の車も自然に制限速度で走ることになるようにしている。近藤工場長によると、ダンプカーのドライバーらは、制限速度を守るだけでなく、子どもたちの横を通る際には、さらに徐行してくれるようになったという。





 また、華厳工場からも同じく「ペースカー」を表示した車を出し、通学路内を制限速度で往復。同社は、これらの取り組みを業務の一環として、半年以上ほぼ毎日続けている。近藤工場長は「通常の業務で地域のみなさんと接する機会はないが、この取り組みによってそのきっかけを生むことができた」と口にする。社員からは「朝、歩くと気持ちいい」、「子どもたちとしゃべるのが楽しい」といった声が上がっているといい、「社員の仕事に対するモチベーションアップにもつながっている」と話す。





すべて事業の一環





 何故ここまでできるか。同社の加藤政徳社長に話を聞いた。「"社会貢献活動"という言葉は嫌い、というか違うかな」。以前は、こうした活動には取り組んでいなかったというが、加藤社長自身が、妻の余命宣告と育児の両立という困難と向き合い、働き方を変えたことで、"社員の幸せ"についてそれまで以上に考えるようになり、会社としての考え方も変わっていったという。「会社として、人として、頼られる、愛される存在になること、感謝する・されることをすると、仕事に対するモチベーションが上がるし、良い循環を生むと思うんです。だから会社として求められることをやっていきたい」。交通安全対策だけでなく、植林事業や3月に控える華厳工場での二輪イベントの開催もすべて会社の事業の一環と考え、地域も会社自身も活性化させていく。

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