厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日:2022.05.13
市民功労表彰を受賞した北京2022パラリンピック大会アルペンスキー代表
田中佳子さん
(株)Tポイント・ジャパン 46歳
人生を変えたチェアスキー
○…北京パラリンピックという大舞台で結果を残し、厚木市から市民功労表彰が贈られた。「子どもの頃から長い間住んでいた思い出深い厚木市。この表彰で障害者スポーツへの理解がこれまで以上に深まればうれしい」と願う。
○…小学校低学年のとき、長野県から厚木市へ。生まれつきの病気が原因で、3歳のときに両足を切断し、その後は義足での生活に。小・中学生のときは友達と同じようにスポーツができない思いを抱え「本当は一緒に楽しみたかったけど消極的だった。幼かったんですね」と過去の自分を代弁する。厚木商業高校に進学し、陸上部のマネージャーを3年間務めた。「選手ではなくてもスポーツに関わることができた。喜びや悲しみなど、部員全員と共有できてよかった」。高校卒業後は専門学校で臨床検査技術を学び、資格取得後検査技師として病院に勤めた。
○…24歳の時、義足で関わりのある神奈川リハビリテーション病院の紹介で座って滑るチェアスキーの開発者との出会いがきっかけでスキーを始めた。最初はバランスをとるのが難しく転倒の連続だったが上達は早く翌年のシーズンには滑れるようになった。「楽しさと、友達とスキーに行きたいという気持ちが上回った」
○…現在は夫婦で千葉県内に住む。オフシーズンは筋力トレーニングのほか、ボートで上半身や体幹を鍛える。「少し人の意見を聞かないところがある」と性格を自己分析。結果に対して後悔したくないという思いからだ。「自分で決めたことなら納得できる。人のせいにしたくないから」と前を向く。「スキーと出合うことで様々な人とつながりができた。幸せです」。リフレッシュは料理や読書。
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