厚木・愛川・清川 文化
公開日:2023.02.17
相模人形芝居
貴重な伝統芸能を披露
3年ぶり県内5座集結
第50回記念相模人形芝居大会が2月12日、厚木市文化会館で開かれた。相模人形芝居連合会・厚木市教育委員会主催。
この大会は、県内の相模人形芝居を継承する厚木市の林座と長谷座、南足柄市の足柄座、小田原市の下中座、平塚市の前鳥座が一堂に会して貴重な伝統芸能を披露するもので、毎年会場を持ち回りで開催。ここ2年はコロナの影響で中止となったため、今回は3年ぶりで、厚木市会場での開催は第44回大会以来6年ぶりとなった。
また、50回を記念し、今回は徳島県の阿波人形浄瑠璃平成座が特別出演した。
相模人形芝居は、江戸時代中期頃に始まったといわれている。鉄砲を撃つような構えで人形を持つ「鉄砲差し」と呼ばれる独特の操法と、文楽と同様に一体の人形を主遣い、左遣い、足遣いの三人が協力して操る「三人遣い」に特徴がある。特に「三人遣い」は、世界でも日本のみの操作技法であり、大変珍しい技法といわれる。
相模国(現在の神奈川県の大部分)には、江戸時代から明治時代にかけて15カ所に人形芝居が伝えられていたといわれる。
その芸能を伝える林座と長谷座、下中座は国指定に、前鳥座と足柄座も県指定の文化財となっている。
当日は事前予約で定員に達するなど多くの人が訪れ、久しぶりとなった伝統芸能を楽しんだ。
林座の葉山修次座長は「50回の記念大会を開催することができ、また、来場いただいた方々や各座の皆さん、スタッフと全員で同じ時を過ごし、文化を作り上げられたことを大変うれしく思う。全員が心豊かに楽しい時間を過ごせたと思っていただけたらありがたい」とコメント。
長谷座の井上真弓座長も「約2年活動ができなかった中で、1年前に無観客収録をしたことで少しずつ動き出し、この大会に向け感染対策を施しながら仕上げてきました。今回大ホールで非常にたくさんの方に入場していただき、観ていただくことができ、本当にありがたかった」と話していた。
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