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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2023.06.09

(一社)厚木歯科医師会の会長に就任した
堀 真治さん
厚木市下荻野在勤 61歳

導かれ「今」がある

 ○…厚木市・愛川町・清川村の歯科医院で行政検診や休日診療など地域口腔医療に尽力する協会の会長に就任した。「みな、患者さんの『ありがとう』が一番うれしい。そのために頑張れる」と破顔する。

 ○…「困っている人を助けたい」という思いは人一倍。医療分野で働く父の影響で当初は薬学の道へ進んでいた。静岡薬科大の学生として学んでいたが、とある日、突然の激痛が口内に走った。大の大人がうずくまるほど、何も手に付かず、眠れないほどの痛み―親知らずの虫歯だった。助けを求めるも、当時はまだ歯科医が少なく、どこも1時間待ちで治療が受けられない。縋る思いで電話した地元の厚木市の歯科でようやく痛みを取り除いて貰えた時、涙が出る思いだった。「同じように辛い時にすぐ治療が受けられず苦しんでいる人がいるはず」と歯科の道を選択した。

 ○…多くの患者と向き合う中で、強く実感するのは健康の大切さ。元々体力には自信があった。南毛利中で始めた卓球では九州の歯科大学大会で優勝した腕前を持つ。学業と部活の両立を実証するため、鹿児島大学は首席で卒業。荻野歯科医院開院後も通常の診療はもちろん、昼休みには訪問診療に従事。県歯科医師会でも役員を務めるなど日々邁進していた。

 ○…しかし6年前、心筋梗塞を発症。無事復帰したが、その後もがん宣告を受けるなどし、改めて健康の大切さと周囲への感謝を噛み締めた。お酒をやめ、代わりに鹿児島から取り寄せたお茶を愛飲。子どもたちも独立し、長年支えてくれた妻と行く温泉旅行が何よりの楽しみ。「メメントモリ(人間はいつ死ぬかわからない)ですね。色々な人に導かれて今がある。この今を大切にしたい」と穏やかに語った。

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