伊勢原 人物風土記
公開日:2015.10.02
救急功労者表彰(総務大臣表彰)を受けた
猪口 貞樹さん
東海大学医学部付属病院 病院長 61歳
救急医学のパイオニア
○…一刻を争う命の現場では、的確な応急処置が求められる。医師は、傷病者を前にした救急救命士にオンラインで指示や助言をし、日ごろから病院実習やセミナーを行っている。これまで湘南・県西地域を中心に200万市民をカバーする救急隊員の育成に携わり、救急活動時の基準となる「プロトコール」の作成、救急活動の質を管理する枠組み「メディカルコントロール」の構築にも尽力した。こうした功績が評価され、9月9日の「救急の日」、県下で唯一となる救急功労者表彰を受けた。
〇…東京都江東区に生まれ、開業医だった父としつけの厳しい母に育てられた。大人しく真面目な性格で、勉強には熱心に取り組んだが「生徒会など目立つようなことは苦手でした」と振り返る。高校生の時に医師を志し、慶應義塾大学医学部に進学。卒業後は「多くの臨床研修を積んで力を付けたい」と考え、設立間もない東海大学医学部付属病院に外科医として入った。朝4時に起き回診や手術に立ち会い、夜中まで働く生活は5年間続いた。その後、救命救急センターの設置が決まったのに合わせて、救命救急医学の道に進んだ。
〇…「今まで関わった隊員の方たちは”教え子”のような存在」と目を細め、「救急隊員と医師の連携は救命の要」と位置付ける。現在、救命救急医学教授として同大の教壇に立つ一方、救命救急センター長、東海大学医学部付属病院の病院長として医療現場の最前線に立つ。60代となり「若い時のようには体がついていかない」と思わず本音も。しかし、「後進の育成に重点を置き、地域医療に貢献していきたい」と前を向く。
〇…2人の子どもは独立し、今は世田谷区の自宅で妻と暮らす。趣味は読書だが、休日も頭は仕事モード。おのずと学術研究に時間を費やしてしまうそう。「でも、これが私の自然体だと思います」と充実の表情。責任と使命を背負い、これからも天職を全うしていく。
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