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伊勢原 人物風土記

公開日:2024.09.20

ペン習字教室を成瀬公民館で開催している
川内 久美子さん
高森在住 61歳

生徒の笑顔がやりがい

 ○…書道教室など字を書く教室を複数開催している成瀬公民館。いずれも盛況であることから、ペン習字体験講習会を企画するも、募集後すぐに応募者が殺到し、早々に締め切りになった。「公民館から聞いて驚いている。多くの方に興味をもってもらい嬉しい。お断りした方も多く申し訳ない気持ちでいっぱいです」と恐縮する。

 ○…東京都出身。メーカーの事務職として働き、職業柄字を書くことが多かったが、手書きの文字にコンプレックスを抱えていた。その後結婚、出産を経て子育てする中で、学校の提出物など再び文字を書く機会が増えた。「このままでは嫌だと思い、何とか直そうと考えていた時に、日本ペン習字研究会で教室の募集があって参加した」と振り返る。

 ○…習い始めると、自分では気が付かないうちに文字がうまくなっていく。郵便局の窓口や子どもの学校の担任などからも褒められる機会が増えるようになったという。「字が変わったんだと嬉しかった。息子も嬉しかったみたい」とほほ笑む。恩師の助手を10年ほど務めたのち、依頼され「私で役に立つなら」と独立。師範の資格を活かし、自ら教室を開いて4年になる。生徒の成績が上がり、笑顔になるのを見るのがやりがいになっている。教室では「今日も楽しく書きましょう」と必ず声掛けを行い、一人ひとりしっかり添削するため、教室は必然と少人数になってしまう。

 ○…「手書きの温かさを知ってもらえたら」。メールやラインなど便利なツールが増え、字を書く機会が減る一方で、上手くなりたいという人が多いことを実感する。「年賀状も印刷に一言手書きの文字があると嬉しい。丁寧に書けば相手に思いは伝わると思う」と笑顔で話す。

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