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公開日:2026.07.31
大山先導師旅館おゝすみ山荘 国登録有形文化財に 170年前の建築
文化審議会文化財分科会は7月17日、伊勢原市大山の先導師旅館「おゝすみ山荘」(佐藤大住先導師)の主屋を、国登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申。近く官報で告示され、正式に登録される見通しだ。今回の答申では、同案件を含めて神奈川県内で計9件の建造物が対象に含まれている。
同館は、日本遺産「大山詣り」の構成文化財である参道沿いに建てられた宿坊(先導師旅館)の一つ。二階建て鉄板葺の東棟と西棟の間に玄関を設けるコの字平面。各階に床の間を備えた客室を配し、二階は天井が低く、南西部に神前を設けて大型神殿を安置する。伊勢原市の調査によると、建築年代は安政5(1858)年まで遡り、1854年の安政の大火によって門前町全体が全焼した後に再建された記録が残る。
建物を所有する佐藤家は鎌倉時代初期に遡る歴史を持ち、江戸中期以降は代々「佐藤大住」を名乗り、参詣者を講として受け入れる上層御師として活動してきた。
先導師旅館の最古級遺構
主屋は斜面地を巧みに活用し、宗教空間・講中宿・住宅の機能を融合させた木造2階建て構造で、大山に現存する先導師旅館としては最古級の貴重な遺構とされる。大型の神殿(宮殿)は大正末期の関東大震災時に1階へ土砂が流入した被害を機に、土蔵の階上へ神前とともに移設・再整備されたという歴史的経緯がある。さらに明治20年頃の座敷増築、昭和39年頃の観光振興などに伴いさらに座敷を増築、令和に入ってからの居住空間の改修など、時代の需要や災害復旧に応じて柔軟に変遷を重ねてきた。現役の住宅兼宿泊施設として活用されながら、近世から近代にかけての大山信仰や先導師旅館の実態を現代に伝える建築物として、その歴史的価値が高く評価された。
38代目先導師の佐藤大住(佐藤純)さんは「これまでと変わらず、大山を楽しみにしてくれている講の皆さんなどに利用してもらえれるようにしていく」と語っている。
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