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公開日:2026.09.11

山王・中沢中合同サッカー部 竹馬の友の「長い夏」 伊勢原初の全国を振り返る

  • 竹馬の友の「長い夏」 (写真1)

  • スタジアムツアーのロッカールーム

    スタジアムツアーのロッカールーム

 8月に広島県で開催された「全国中学校サッカー大会」に、伊勢原市勢として初出場を果たした山王・中沢中学校の合同サッカー部=写真上。全国の舞台では初戦敗退となったものの、かつて同じピッチでボールを追った“竹馬の友”たちが再び集い駆け抜けた、かけがえのない「長い夏休み」を、関係者に集まってもらい、振り返ってもらった。

 快挙の裏には、一度は離れかけた仲間たちが再び手を取り合ったドラマがあった。かつて廃部となっていた中沢中サッカー部だが、2年前に宮口元太さん(3年・MF)と栁川一琉さん(同・DF)の熱意を受け、顧問らの尽力により復活。小学校時代に山王JFCで共にプレーしていたメンバーのいる山王中との合同チームとなり、一度はクラブチームへ進んだ選手たちも部活動へ戻ってきた。「去年の12月頃に『役者が揃った』んです」と振り返るのは、山王中3年・西村諒主将の母・真理香さん。小学校時代から互いを知り尽くしたメンバーが勢揃いし、本格的に始動した。

 平日はそれぞれの学校で練習を重ね、週末に合同練習。中沢中の生徒にとっては「平日数人での練習は物足りなかったから、週末にみんなとサッカーができるのが本当に楽しみだった」という。中沢中の顧問である中村肇教諭と山王中の宮嶋凪之教諭は、かつて山王中で同学年を教えた間柄。お互いの信頼関係があったからこそ、「2校の連携もスムーズだった」と口をそろえる。

 チームは仲が良いからこそ、互いにストレートに意見をぶつけ合うあまり、雰囲気が悪くなることもあった。顧問陣は試合後にじっくり話し合う時間を設け、「仲が良いからこそ相手を思いやる言葉を選ぶ」など、精神的な成長を促していった。

 危機を乗り越え絆を深めたチームは、夏の県大会で快進撃を見せる。冬の新人戦で敗れた希望が丘中(横浜)を破って勢いに乗ると、勝ち進んで関東大会へ進出。関東大会では、キーマンの出場停止というピンチを一致団結して跳ね返し、劇的なPK戦や大勝を経て、最後の1枠「関東第7代表」として全国大会の切符を掴み取った。「全国を決めた瞬間は『伊勢原のみんなに自慢できるな』と思った」と西村主将は笑顔を見せる。

広島での特別な時間

 8月中旬、広島県で行われた全国大会。初戦は一進一退の攻防の末、1対1で迎えた後半アディショナルタイムに得点され、前線を厚くする勝負に出るも追加点を奪われてしまい、惜しくも1対3で敗退。目標としていた「全国1勝」には届かなかった。試合後の選手たちは全力を出し切った達成感が漂っていたが、普段感情を表に出さないタイプという栁川さんが「もうちょっとこのチームでやりたかったな」と思わず本音をこぼす一幕もあった。

 宿泊施設では、「お化けが出そうな雰囲気」で、1人1部屋のはずがシングルの部屋に2人で寝たり、試合後には、チームでプロが使用する「エディオンピースウイング広島」のスタジアムツアーに参加したりするなど、共に過ごした広島での日々は、まるで修学旅行のような、最高の思い出となった。

 今回の遠征を支えたのは地域の手厚いバックアップだった。遠征費の負担を心配した両校のOBや地域の商店街、地元サッカー関係者、市民から多くの寄付や温かい応援の声が寄せられた。「皆様の支えがなければ広島に行くことはできなかった。本当に感謝しかありません」と山下侑介教諭(山王中)は語る。

次の世代へ

 大会後、夏の終わりに開かれた選手や保護者、指導者が集まった祝賀会では、保護者から「19人全員大好きだよ!最高の夏をありがとう」と労いの言葉が贈られた。

 先輩たちの背中を追い続けてきた2年生の飯塚章太さん(中沢中・DF)は、「先輩たちは本当にレベルが高かった。先輩・後輩関係なく仲が良いのがこのチームの最高のところ。次の代にもこの良い雰囲気を受け継いでいきたい」と意気込みを語る。

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