横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2011.03.18
猿島公園専門ガイド協会の会長を務める
請地(うけち)盛雄(もりお)さん
ハイランド在住
努力惜しまぬメッセンジャー
○…「ロマンの島」。いまだ発見されていない史跡や植物が多い猿島をそう表現する。未知の地下施設、島内に1本だけあるという桜の木、絶滅危惧種に指定されているダンダン苔…。見たい、知りたいという好奇心が尽きる事は無い。協会主催の企画ガイドは来年度もぞくぞく予定。18人のガイドメンバーそれぞれが、独自の史料や手作りの紙芝居、さらには話術を巧みに操り、「エコミュージアム猿島」の魅力を伝える。
○…横須賀に引っ越してきたのは約30年前。当時は「あそこに島があるな、くらいの印象でした」。しかし、環境問題に関心をもつにつれ、次第に見え方も変わっていく。横須賀市が国から管理委託を受ける(平成7年)など情勢も変化。その翌年に結成された「猿島の会」の一員として、島の自然保護に向けて本格的に動き出す。陸から一年中見える森の深い緑。「”黒い島”というイメージでした。その姿を変えてはいけないという想いがあったんです」。
○…島内を案内する時には、分厚いファイルを持参。中には、貴重な史料や動植物の写真などこれまでの蓄積がびっしり。猿島の名前の由来、ペリーアイランドの意味、猿島伝説、第二次世界大戦中の横須賀空襲など幅広い分野を分かりやすく解説。話術も巧みで、飽きさせない。「メジロが木に止まる時、体をくっつけ合って一列に並びます」。ツアー中も、運が良ければお目にかかれる。結びはこの一言。「諺で『目白押し』と言うんです」。
○…三浦半島は首都圏のオアシス。疲れた時も日帰りで英気を養える場所だと語る。横須賀以外からも集客しようと横浜の旅行代理店にDMを送るなど地道な広報・営業活動を行う。陰ながらの努力を惜しまないメッセンジャーだ。「横須賀の人にももっと魅力を知ってもらいたいですね」。地元の自然やエコに興味をもったらまずは猿島へ。ロマンが詰まった世界を案内してくれる。
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