カレー課長の異名で「カレーの街よこすか」を全国区にし、3月末で定年退職する 青木 猛さん 追浜行政センター館長 60歳
「カレー課長」の信念に揺ぎ無し
○…館内でのスーツ姿よりも、屋外での青い作業服の方がよく似合う。3年前に行政センターの館長に就任してからは、Y・フェスタ追浜の企画だけでなく、貝山地下壕などの遺跡調査にも乗り出した。「追浜のインディジョーンズ」の異名は言い得て妙。定年退職が間近に迫る中、「座って大人しくしていられない」のは相変わらず。だがその行動力が、横須賀で定番化した数多くの観光事業を”最初に”手掛けた。例えば-。
○…市経済部観光課長に就いたのが98年。当時、舞鶴市と呉市とで「肉じゃが発祥の地論争」が盛り上がっていた。「横須賀でもお国自慢ができないだろうか」。市、商工会議所、海上自衛隊らが集まった席で話題になったのが出発点だ。次に、ストーリー性。かつて海軍では曜日感覚を取り戻すため毎週金曜にカレーを食べていた。終戦後、故郷に帰った兵士が家庭にその味を伝えたことで「横須賀はカレー発信のルーツ」だと言える。99年、市が「カレーの街」を宣言すると、全国に売り込む実行部隊として課長自ら最前線に立った。
○…「ゼロからスタートしたので、とにかく(カレーの街として)目立つ事を考えました」。メディアの取材は数百に上った。誰よりも大きな声で、誰よりも熱く。「カレー課長」と命名したのはテレビ朝日だそう。一方観光課では、職員がアロハやスカジャン姿で市民を出迎える演出もした。「騒ぎ屋なので」と笑うが「自分達のまちづくりに誇りをもつことが何より大事」と語る眼差しは真剣そのもの。
○…ペリー来航150周年の03年には「よこすか開国祭」を成功させた。「雨なんか降らない!」と思い込むのは今も同じ。行政職員としては珍しいタイプでは?と尋ねると、「どうかな」とはにかむ。退職前でも変わらず表情は明るい。やはりセンチメンタルは似合わない。今後は個人として多方面でのまちづくりに参加するそう。横須賀を「もっといい街」にするために。
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