武山ハイキングコース 不法投棄もうさせない 市民グループが撤去作業、自主パトロールも
津久井小学校の裏手から入り三浦富士へと向かう武山ハイキングコースの不法投棄ゴミを回収する作業が今月2日、市民グループ「津久井の自然を守る会」(三澤幸子代表)の呼びかけで行われた。会のメンバー35人に一般参加者20名が加わり、コース沿いの傾斜面に投げ捨てられたゴミを手作業で拾い集めた。
武山ハイキングコースは、人目に付きづらく、車で侵入できることもあって平成5年ごろからゴミの不法投棄が急増。冷蔵庫やテレビ、洗濯機などの家電製品に乗用車などの放置もあり、”ゴミがゴミを呼ぶ悪循環”に陥っていた。横須賀市では監視カメラの設置やパトロールで警戒を強化、これによりここ数年は沈静化していた。
その一方で、問題として横たわっていたのが投棄ゴミの存在。コース周辺は私有地であり、土地の所有者や管理者が自己責任で処分するという原則があるため、10数年以上もそのままの状態となっていた。
この付近に自生するホタルの保全活動に取り組む同会では、99年の結成以来、大小のゴミが無数に放置されている惨状を問題視。市に撤去の要請を再三行ってきたことで昨年12月、資源循環推進課による大掛かりな作業が実施された。警察犬訓練所前と墓苑予定地前の2ヵ所で、重機などを使って大型ゴミが運び出された。分量は2tトラックでおよそ15台分。100万円を超す市費が投じられた。
これに続いて同会の三澤代表は、「市民も撤去作業に参加することで地域の美化意識が高まる」と今回の清掃活動を企画、残りの小型ゴミの回収に乗り出した。この日だけで土嚢袋100個、ガラ袋10個分のゴミを集めた。作業に参加した津久井浜高校1年生の渡邉由佳さんは、「ホタルの生息地である自然の谷戸にこれだけの量のゴミが捨てられていたとは」と驚きを隠さなかった。
ハイキングコース沿いの傾斜面には、今も多くのゴミが放置されたままの状態だが、「安全面などから市民の手で行うのは困難」だと三澤代表。当面は定期的に自主パトロールを行うなどで不法投棄を防止していく構えだ。樹木観察とごみウォッチングを組み合わせた散策ツアーで、不法投棄の現状を市民周知していくことも考えている。
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