利用減少が止まらない 市役所前地下駐車場「ぴぽ320」
市役所前公園の地下駐車場「ぴぽ320」(小川町9)の利用台数減少が止まらない。損益分岐の目安とされる年間20万台を昨年度、一昨年度と連続して割り込み、今年度も厳しい経営状況が続いている。景気の冷え込みに加え、膝元である中央駅周辺の集客力低下などが要因。運営事業者は、料金の引き下げや利用時間枠を拡大する苦肉の策で台数回復に挑んでいる。
2年続けて年間20万台割れ
320台収容できる「ぴぽ320」は平成5年9月に完成。中心商店街の買い物利便向上と迷惑駐車の解消を目的に、地元商業者に中小企業事業団、商工会議所、横須賀市などが出資する第三セクター「よこすか中央まちづくり株式会社」が総工費約32億円を投じて建設した。以来、運営も同社が手がけている
オープンからおおむね年間利用台数20万台をキープしていたが、ここ10年間のデータでは、平成18年度の23万6301台をピークに減少に転じている。21年度には20万台を大きく割って18万6046台。さいか屋大通り館が閉館した22年度はさらに数字が悪化して15万8323台まで落ち込んだ。追い討ちをかけたのが東日本大震災の影響。相次ぐイベント・セールの中止に、節電なども重なり、4月以降は前年度比10%減で推移。回復の見通しがつかない状況が続いている。
横須賀中央まちづくり株式会社の工藤伸専務は「中央周辺の事業者数の減少による定期利用の解約とコインパーキングの増加も一因」と説明する。ここ数年で空き店舗となった立地に新設のコインパーキングが続々と誕生しており、「パイの奪い合いとなっている。(ぴぽは)乗り入れの煩わしさに認知度不足など、地下という立地がマイナスに作用している」と苦い表情を浮かべる。建設費の償還も7億4千万円ほど残しており、苦しい経営を余儀なくされている。
新サービスで巻き返し
こうした事態に手をこまねいているばかりではない。
同社では先月15日から新サービスを導入して、巻き返しを図ろうと必死の攻勢をかける。具体的には、平日昼間の最大料金を100円引き下げ、最大時間料金の適用も午後6時から1時間延長して7時とした。25%割引となるセット割引回数券に、軽自動車専用の定期券も値下げして販売している。また、ゲリラ豪雨に備えて傘の無料貸し出しもスタート。顧客ニーズを探りながらソフト面でのサービスの向上にも取り組む方針だ。工藤専務は「24時間係員が常駐しているため、盗難や当て逃げなどの心配がない。安心・安全を広くアピールしながら利用台数を伸ばしたい」と話している。
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