古墳時代の人骨発見 久里浜の八幡神社遺跡から
八幡神社遺跡は、古久里浜湾内に形成された砂堆上の遺跡。昭和61年に同神社前で古墳周溝や中世の陶磁器片などが発見され、それ以降も、久里浜中や八幡町内会館の敷地内から古墳や、埴輪片などの遺物が出土している。
同校の武道場建設に際して、市教育委員会では埋蔵文化財発掘調査を8月から実施。その過程で9月中旬、足先の一部の人骨を発見した。その後の検出作業で、胸部までの遺存を確認したという。
今月8日には同校で説明会が実施され、多くの市民が列をつくった。担当者の説明によると、頭部は建物建設の工事で破損したためか、見つかっていない。身長は「現時点では確認できていない」とした上で、踝から胸まで約1・3メートルあり、比較的大柄だと推定される。
この人骨が埋葬されていた石棺墓は、両側面を2〜3段の石で囲い、上から蓋がされていた。長さは約1・8メートルまで確認。こうした墓式や出土層位などから、時期は古墳時代の可能性が高い。現地はこの時代、海岸線から100メートルほどの距離にあり、市教委ではこの人物は舟を使い漁業や交易をしていたと推測。墓は、胸から足先にかけて徐々に幅が狭くなっており、舟をイメージできるという。
さらに、説明会数日前にはこの石棺墓から数メートルの地点で同じ時代とみられる別の人骨も見つかった。最初の人骨よりも小さく、土を掘りくぼめた土坑墓との見方が強い。今後DNA鑑定を実施すれば、親子や夫婦といった両者の関係性が分かる可能性もある。
近所に住む堀弘さん(77)は、当初発掘調査だとは分からず「何をやっているんだろうと不思議に思っていました」と振り返る。「現代で見られたことはすごい」と驚きを隠さなかった。
一方、現地の久里浜中に通う生徒にも影響を与えたようだ。大場智和校長は、全校生徒に「武道場の完成は遅れるが、歴史的発見の現場に立ち会えたことは素晴らしいことだ」と伝えた。興味を抱き、遺跡を見る生徒も多いという。
久里浜の「八幡(やわた)神社遺跡」でこのほど、古墳時代のものとみられる石棺墓と、埋葬された人骨が発見された。久里浜中学校武道場の建設に伴う発掘調査で見つかったもの。今月8日には同校で現地説明会が行われ、地域住民など580人が参加。関心の高さをうかがわせた。発掘調査は現在も続いている。
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