第5回日本ユース陸上競技選手権大会女子800mで優勝した 平野 綾子さん 横須賀高校 2年生
勝っても「まだまだ」
○…先月23日に開かれた日本ユース陸上選手権の女子800メートル。2位の選手とは5秒差を付ける断トツの走りで勝利を飾った。キャリアはわずか1年半。未完の大器の活躍は、周囲を驚かせた。顧問の木村先生は「本人の努力もあるが、天性の才能というほかない」と評する。ベストタイムは全国の高校ランキング5位。期待の新星は、目を見張るほどの成長スピードで進化を続けている。
○…喜びをかみ締めていると思いきや、取材時は「納得の走りではなかった。まだまだ」と満足していない様子。先の大会では、ライバルと目す福里秋帆選手(横浜・川和高校2年)に、ひとつ上のジュニアクラスで見事な走りを見せ付けられた。「表彰台でひとり浮かない表情の彼女の姿が印象的だった」と同コーチは振り返る。「悔しさが自分の原動力。高い目標ほど気持ちが高まる。次のレースでは追いつきたい」と闘志を燃やす。
○…中学時代はバレーボール部に所属。自分の走りの才能にはまったく気づかずにいた。体育の授業で挑んだ1500メートル。走ることの心地よさに惹かれ、高校入学と同時に陸上部へ。秘めた才能を開花させたのが中距離だった。スピードと持久力を高い次元で求められるこの競技は、”あきらめない精神”がタイムを左右する。「負けず嫌いの性格の自分にぴったり」。才能に甘んじず、努力も怠らないその姿勢が周囲にも好影響、リーダーとして女子部の牽引役を務めまでになった。
○…普段の練習相手は、もっぱら男子。競り負けない力を養うのには最適なのだという。専門の800mはシーズンオフとなるが、もうひとつの柱に掲げる高校駅伝が待ち構える。チームのエースは持ち前のスピードを生かして、県代表を掴む意気込みだ。「目の前の目標を一つずつクリアしていくこと」。走り続ければ、めざす未来が近づくと信じている。
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