今月22日の横須賀音楽祭に箏奏者として出演し、横須賀市音楽協会の会長も務める 小泉 かよ子さん 汐入町在住
箏の楽しさ響かせる
○…横須賀のアマチュア音楽家たちの親睦と振興をめざして始まった横須賀音楽祭。自身が開く”横須賀箏アンサンブル”の一員として出演する。「弾いたり、押したりと微妙な手の力加減で少しずつ音色が変わり、最後の余韻の響きまで楽しむことができる」と魅力を活き活きと語る。
○…10代の頃、姉に誘われて箏の教室に行ったことが出会いだった。踊りに興味があったため本心は日本舞踊を習いたかったが、練習を重ねるうちに頭角を現し、自分から楽しむようになった。毎朝、重い箏を携えて混み合う電車に乗り、市外の収録スタジオや公演会場に通い詰めた。唯一の練習時間は家族が寝静まった深夜から明け方で、まさに”箏漬け”の日々を送っていた。
○…「箏をより身近に」をモットーに演奏人口の拡大を進める。数字が読めれば3歳でも始められる初心者に優しい楽器。古典からポピュラー音楽までアレンジが自由自在でオーケストラとの合奏もできる。「敷居が高くて堅苦しい。音を出すのも難しそうだとの印象が先行する状態を何とか打開できれば」と、依頼を受けて池上中学校への出張授業や老人ホームの慰問公演、イベントにも積極的に出向いている。横須賀市音楽協会の会長として10余年、横須賀の音楽を見つめ、普及に力を注いできた。皆が一様に音を楽しむ姿に喜びを感じながら、自らも負けてはいられないと演奏活動に励む。
○…「毎日音楽に関われるのは、全て周囲の支えがあってこそ」といつも感謝の念は忘れない。また、娘と孫も幼い頃から箏に親しんでおり、3世代での演奏が家族共通の楽しみの1つとなっている。半世紀もの時を共に過ごし、なくてはならない体の一部。「もしあの時、姉に誘われていなかったら…そんな自分は想像できない。人生の転機はどこにあるか分からないものだ」と初めて箏に触れた当時に思いを馳せていた。
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