メガソーラー 横須賀で3ヵ所が候補に 民間事業者募り、早期の設置目指す
東日本大震災や福島原発の事故を受け、神奈川県では昨年、エネルギー政策として2020年度を目標とした「かながわスマートエネルギー構想」を発表。その一つとして挙げられているのが、太陽光発電導入の拡大だ。住宅への発電設備設置の補助に加え、大規模な発電施設の設置(メガソーラー)にも積極的に動いている。メガソーラーの設置場所候補として、横須賀市内では3ヵ所の基礎調査が完了。来月上旬から設置を検討する民間業者を募り、調整を図っていく。
「かながわスマートエネルギー構想」では、現状の電力供給の見直しと代替となる再生可能エネルギーの体系づくりを進めている。柱となるのは、太陽光発電などの導入を促進する『創エネ』、電力のピークカットを図る『省エネ』、電力のピークとなる時間を調整する『蓄エネ』の3つ。なかでも、『創エネ』への取り組みに関しては、太陽光発電の普及を図る仕組みづくりに力を入れている。
期待高まる大規模発電施設
メガソーラーとは、1MW(メガワット/1000kW)以上の出力がある太陽光発電施設。企業の遊休地や埋立地、廃炉になった火力発電所などに設置されている。県内では、昨年末に東京電力が川崎市の市有地(扇島)でメガソーラー(最大出力13000kW)を稼働。同年8月に稼働させた浮島発電所と合わせて、国内最大級の発電施設となっている。一般廃棄物の最終処分場の跡地を有効活用したもので、通常の利用が難しい土地に太陽光発電施設を設置する動きは加速している。神奈川県でも、太陽光発電の普及を目指し、メガソーラーの誘致を推進。まずは、県企業庁が県有地(愛川町の県警グラウンド跡地)に、モデル事業として来年夏の稼働に向けて整備を進めることを発表。さらに、民間事業者の参入を目指し、昨年末から県内12ヵ所で基礎調査を行い今月上旬、「候補地」として公表した。
候補地のうち、横須賀市内では3ヵ所が挙がっている。市有地では長瀬にある長瀬資材管理所(水道用資材置場)、民有地では太田和の産業廃棄物処分場と山林・須軽谷の三浦フィールドアーチェリー場跡地でそれぞれ、現在は遊休地となっている。公表された基礎調査では、土地の形状や現況、配置用変電所までの距離、周囲の受光障害物などが記されている。
県では今後、メガソーラーの設置を検討している民間事業者を3月上旬から募集し、土地所有者と土地の売却・貸し付けなど条件の調整を行っていく。今年7月からメガソーラーによる発電量の全量買い取り制度が始まることを受け、県の太陽光発電推進課には候補地公表以来、民間事業者からの問い合わせも増えているという。「発電ビジネスへの企業の関心は高い」(担当課)と、実現に向けた期待が高まっている。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>