電力購入東電以外で 横須賀市立学校で7月から
横須賀市は今月1日、市立学校72施設で使用する電力について、PPS(特定規模電気事業者)大手の(株)エネット(東京都)と契約すると発表した。契約期間は、7月1日から14ヵ月間が28施設、9月1日から1年間が44施設。市では、東京電力の値上げ後の電気料金と比べて、約2400万円の削減額を見込んでいる。
対象となるのは小学校47、中学校22、ろう学校と市立横須賀総合高校2施設の計72施設。
指名競争入札で落札した(株)エネットは、東京ガスなどが出資するPPS大手。自前の発電所でつくった電力や余剰電力の買い取りなどで電力を賄い、供給している。PPSの電力販売規模では、同社が約50%のシェアを占めている(2010年度)。
市の発表によると、同社との単価契約により1キロワットあたりの基本料金は、東京電力との契約を継続するよりも291円削減できるとしている。契約期間中の電気料金は、東電値上げ後よりも7%減の約3億1800万円。約2400万円の効果額を見込んでいる。
東電との随意契約ではなく、入札による電力調達の実施については、これまで「脱原発社会を考える議員連盟」のメンバーを中心に市議会でも取り上げられてきた。吉田雄人市長は、今年度市立学校のみで入札を実施する理由について「コスト削減の面だけでなく、(東電との)災害時の協力体制への影響など、総合的に判断した結果」(第1回定例会本会議)と説明している。
PPS明暗
東電からPPSへの切り替えは複数の自治体で行われ、電気代を削減する動きが広がっている。その一方で、PPSへの需要の増加などを背景に、入札の不成立や電力供給の延期も目立っている。
近隣の葉山町では、6月から庁舎などで使用する電力を、(株)ラフ(千葉県)から購入する予定だった。しかし、東電など一般電気事業者が高値で電力を買い取っていることで、同社では必要な電力を確保できなくなったとし、葉山町に対して電力供給の延期を申し入れた。このため、同町では新たなPPSの選定を余儀なくされた。
同社では自前の発電施設をもたず、業者から余剰電力を買い取って販売している。
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