劇団河童座の最年長で23日に行われる舞台「わしゃ喰っちょらん」の主役を務める 鈴村 健二さん 池上在住 81歳
劇団の長老、いまだ現役
○…「最近はアルツハイマー病なんて呼ぶけれど、要はボケちゃったおじいちゃんの話なんです」。劇団河童座の最年長。舞台「わしゃ喰っちょらん」に初演時から祖父役で出演する。20年前、福祉イベントでの単発上演用に作られたが、今や同劇団の代表作に。深刻に捉えられがちな「痴呆」をあえて明るく笑いを交え演じる。自身も81歳。「おじいちゃん役」が板についている。
○…年々セリフ覚えが悪くなっていると自嘲するが、過去に演じた役のセリフはすらすらと出てくる。自分のセリフだけを覚えればいいのではない。「相手の言ったことに対して自分ならどう答えるか、それを考えることで初めてセリフが入ってくる」。市内の高校演劇部OBらを中心に立ち上げた同劇団。横須賀を中心に、オリジナルから児童劇まで幅広い演目を上演する。メンバーの多くは入れ替わっているが、創立から約60年間、コンスタントに舞台に出続ける。
○…逗子開成高校で入部した演劇部の活動は何もかもが新鮮で興奮を覚えた。「卒業しても終わらせたくない」。同じ思いをもった市内の若者約20人が集まり旗揚げを叶えた。現主宰者・横田和弘さんの父親もその一人だ。それからは、日中は小学校の教員、夜は稽古に明け暮れ、週末は舞台。多忙ながら充実した日々を送った。県内の青少年会館に転勤してからも、音楽の指導などを通し「表現の自由」を生徒に伝え続けた。「仕事も劇団も境目がないくらい楽しませてもらった」と相好を崩す。
○…妻や3人の子は「また河童座?いってらっしゃい」と呆れながらも温かく送り出してくれるという。家族が応援してくれるから、長年好きなことを追い続けてこられた。第2の人生は「芸の肥やしになれば」と東京のタレント事務所に自ら履歴書を送り、CM出演や映画の吹き替えなどにも携わってきた。劇団の長老として、まだまだ現役続行だ。
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