横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2014.08.01
お笑いコンビ「バースディパーティ」として活動する
加藤渉(しょう)さん(芸名 加藤パーチク)
山科台出身 24歳
芸人として生きていく
○…「お茶の間を賑わすお笑い芸人になりたい─」。常識のある人間からは一笑に付されるような、そんな夢を本気で追い求めている。人目を引く奇抜なヘアスタイルは24時間芸人であり続けるための覚悟だ。活動の主軸は都内のライブハウス。いつ訪れるかもしれないチャンスに備えて、ネタづくりと笑いのセンス磨きに日々励んでいる。
○…大学時代のコンビ「門出ピーチク・パーチク」では、学生漫才王に輝いた。容姿端麗な相方と少し壊れたおとぼけキャラ。この設定が見事にハマった。”就職”の2文字は目にも耳にも入らないくらい活動は軌道に乗り、若手芸人の登竜門とされる深夜枠のテレビ番組にも頻繁に呼ばれるようになった。「少しの光が見えた」と思った矢先、プロの世界の洗礼を浴びることなる。「君たちの芸風は既出のもの」と番組担当者のキツイ一言。目指す方向性を見失い、今春、コンビを解消することになった。
○…芸人としての道はふたたびスタートライン。新コンビは、社会を賑わすニュースをシニカルな切り口で笑いに変換する時事漫才で新境地を開拓する。ネタ探しは新聞、テレビ、週刊誌とアンテナを張り巡らせる。客層や場の空気に合わせて伝え方にも工夫を凝らす。先ごろ、お呼びがかかった地元山科台の夏祭り。おろしたてのネタは不適切支出の元県議と中国の期限切れ鶏肉問題。子どもたちにも旬の話題を噛んで含んで教えながら爆笑を誘った。
○…高校生の頃、文化祭で漫才を披露した。「どかーん、と受けた。快感と高揚感に包まれて、もう最高な感じ」。舞台に上るのは、「記憶のどこかにしまわれたあの感覚を呼び戻したいからかもしれない」。一方で現実は厳しい。生活を成り立たせるにはアルバイトが不可欠。面白い芸人やライバルは星の数ほどいる。「先が遠くなることもあるが、芸人として生きていくと決めた。10年後もその先も同じでいたい」
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