今週末大津諏訪神社で行われる「プレ千二百年御柱祭」の実行委員長を務める 岩崎 昭さん 大津町在住 52歳
祭の記憶、次世代に
○…10m以上の大木を人力で曳き、神前に建て祀る「御柱祭」。長野県の諏訪大社で7年目ごとに1度行われるこの伝統神事を、大津諏訪神社で初めて本格的に実施する。氏子や世話人など総勢30人を超える実行委員のまとめ役としての自慢は、祭の成功のためには労を惜しまない一人ひとりの結束力。「これだけ大規模な神事だもの。心を一つにしないとまとまらないよ」
○…大津小、馬堀中と生粋の地元っ子。祖父が同神社の総代長だったこともあり、幼いころは境内が遊び場だった。両親が結婚式を挙げたのも、自身がお宮参りをしたのもこの神社。人生の節目や生活に常に寄り添うのが神社という存在。祖父の背中を見ているうちに「大津から離れたくない」という思いが自然と芽生え、就職先には地元で働ける米海軍基地を選んだ。
○…地域のつながりが希薄になりつつある昨今。神輿の担ぎ手も年々減り、祭の存続自体が危ぶまれる町内も多いという。1923年の関東大震災をきっかけに近隣10社の祭神が合祀されているという経緯もあり、同神社の例大祭は11の町内の神輿の競演で毎年賑わいをみせる。奇しくも震災が人々の気持ちを一つにする機会となったが、「若い人たちがいずれこの街を出ることになっても、故郷の祭を思い出し、家族や友人を連れ帰るきっかけになってほしい」と目を細める。
○…神輿会(諏訪十神連合)の会長や大津1丁目地区の世話人など、神社を通して20年以上地域の活性を手伝ってきた。その集大成が御柱祭だ。「見に来る人みんなに祭の楽しさを感じてもらいたい」。準備も佳境を迎え、連日の打ち合わせが続いているが、同志と交わす酒杯を”ビタミン剤”に担当外の会合にも足を運び進捗状況を把握する。当日は、2人の娘や孫たちに加え、娘の夫は神木の曳子として参加するという。心に刻まれた祭の記憶は、子の代、孫の代まで受け継がれると信じている。
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