市内で野良猫の保護活動などを行う「にゃんずネット横須賀」の代表を務める 増井 貴子さん 汐入町在住 63歳
飼うとは責任をもつこと
○…野良猫の不要な繁殖を防ぐため、TNR活動に力を入れている。Trap(大事に捕獲する)、Neuter(不妊手術を施す)、Return(元の場所に戻す)。迷い猫の連絡を受けては、どこへでも向かう。もともとは人間に飼われていたペットが、引っ越しなどの事情で捨てられたのが野良の始まりだという。「その責任は、他でもない自分たちが取らないと」。瞳に使命感が宿る。
○…猫好きが高じて、TNR活動を始めたのは約30年前。当時は不妊手術の考えや習慣が浸透しておらず、面倒を見切きれない子猫が地域に散見された。「街に暮らす猫なのに、どうしてみんなしらんぷりなんだろう」。自身の愛猫にも不妊手術を施したことで「飼い続けることは、責任をもつこと」という意識がはっきりと芽生えた。もちろん、すべての命を救えるわけではない。無力さを感じるときもあるが「不幸な猫がいるという現実から目を背ける方が辛い」と静かに話す。
○…街中で野良に出会ったとき、真っ先に見るのは”耳”だ。先がカットされていれば手術済みの証。暮らす土地が変わっても一目でわかるよう、保護団体を中心に全国的に広がりを見せている運動だ。「賛否はあるけれど、二重手術を避けるには必要な手立て」。ひいては生まれてくる子猫に、悲しい末路を辿らなせないためでもある。
○…3年前、市内外の同志10数人で保護活動グループ「にゃんずネット横須賀」を結成。子猫の保護や里親探しなどを一手に引き受ける。メンバーには、インターネットに明るい人、チラシなどのデザインに明るい人など、それぞれの得意分野が光る。「1+1が、3にも4にもなる。今までほとんど1人でやってきた分、活動に広がりを感じる」。今月末には、グループ初めての試みである、野良猫の不妊手術を啓発する映画の上映会を行う。「地域の人と猫が共存できる道を模索していきたい」。
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